MVNOビジネスの行方 LINEモバイルの決算記事を読んで

格安SIMと言われていたMVNOビジネスの行方はどうなるのでしょうか。
個人的にはLINEモバイルのデータ通信が遅すぎて、MVNO料金のメリットが失われつつあります。
LINEモバイルだけでなくMVNO業者全般がその傾向にあります。

料金面では、MVNOの躍進を受けた3大キャリアもいよいよ対策を施してきており、使い方にもよりますが、2年縛りさえ受け入れれば料金の差は縮まりました。音声通話をある程度使う場合は、もはやMVNOを使う方が高くなってしまう可能性さえあります。安定したデータ通信速度という恩恵に加えて料金がそこまで変わらないのであれば、2年前と比べてMVNOを選択するメリットは小さくなってしまったと感じます。
1年程前までは、まだまだ速度が出ていましたから、去年の秋頃から急に遅くなったという印象があります。奇しくも、「auピタットプラン」という現行の料金プランをauがスタートさせたのも、同じ時期という妙な偶然もあります。

大手キャリアはインターネットへの極太な接続と電波、基地局を持っています。価格弾力性(価格を自由にできる余力)は相当に高いわけですから、本気を出せば、どうとでもできるわけです。事実上のフランチャイジーのようなMVNO業者が勝てることはありません。また、どういうわけか過去の割高なプランをそのまま使い続けるという、あまりシビアではない「羊の顧客」を相当数抱えていますし、通信会社なのに未だに端末を売ってSIMロックをしっかりと施していますし、この端末のローン期間と同じ長さの縛りモデルをしっかりと続けており、またそれを市場が受け入れているわけであり・・・わんわん。

毎日の速度観測をしている週刊アスキーの記事があります。有料記事なのでここには貼り付けることが出来ませんが、実に絶望的な計測結果が並んでいます。

セカンドブランドであるUQモバイルとY!モバイルだけが、下り40Mbps程度で安定しており、それ以外は0.5Mbspくらいしか出ていないのが通常で、たまには3Mbps程度の速度が出る場合がある、といういかんともしがたい状況がほとんどです(ただし、UQなどの料金は3大キャリアの料金と比較してそこまでのお得感はありません)。0.5Mbspって20年前のケーブルテレビのネット接続並ですからね(当時はそれをブロードバンドと呼んだ・・・)。

この速度観測は週刊アスキー編集部がある飯田橋付近での測定なので、うちの辺りも似たようなもんですね。これが、新宿駅付近や新橋辺りだともっと悲惨なのかもしれません。反対に茨城の実家あたりだと、どの程度の速度が出るのか、人口密集地でなければそれなりに速度が出るのでしょうか。その辺りの、インフラの構造がどうなっているのかわからないのですが、利用場所ではあまり結果は変わらないのではないか、と想像していますが、実際は不明です。

MVNOが遅い要因は2つ想定しています(ただの妄想です、根拠、ソース無し)

要するに、

(1)基地局単位でのシェア率
(2)docomoと繋いでいる回線の太さの問題(基地局からの通信をMVNO業者のネットワークへ迂回させる経路)

という要素があると予想していまして、これらはなかなか改善は難しいのではないかと思われます。

LINEモバイルの決算面はどうかというと、大きな赤字を抱えているようで(第2期は営業損益33億1100万円)、しかも、原価が売上げを上回るというレベルです。売上規模も33億円くらいと大きくありません。MVNOの収益構造を、とある事情からある程度知っていたのですが、ここまで悪いとは驚きです。LINE社はMVNO参入によってなんらかのメリットを得られたのかどうかは疑問を感じます。単純な収益面ではよほど頑張っても営業利益は一桁%前半がいいところなのが、MVNOのビジネスモデルだと思います。決して銀行借入などに頼って参入をしてはいけない分野です。

その様な状況の中、LINEモバイルはソフトバンクの資本を受け入れ、ソフトバンクが51%の株式を保有することとなり、まだ回線はdocomoのままですが、いずれ立て直しないし、ソフトバンクグループ会社との合流が行われるのかも知れません。

個人的にはLINEモバイルを2年近く利用していますが、元々使っていたauの法人契約をそのまま使っていたとしたら、月々1万円程度だったので、1ヶ月あたり8千円程度の通信費削減になっていました。2年で20万円程度の恩恵は受けることができたと言えるかもしれません。

ただ、この2年間は仕事で携帯電話を使うこともほとんど無かったのと、LINEモバイルもそこそこの速度がでていたので、利用の文脈上、問題がなかったとも言えます。今年は自分のビジネスに戻ったので、電話を結構な頻度で使う事になり、それなりに通話料がかかり、外出時の通信速度の遅さと不安定さはリスクなので、多少の感情面で謎の悔しさはありますが、元の回線に戻すなりすることになりそうです。