代表メッセージ

代表メッセージ

社会に出て25年、ずっとテクノロジーと現場の間を往き来してきました。インターネット黎明期から始まり、EC、モバイル、そしてAI。時代が変わるたびに、一つの確信が強まりました。技術は道具であり、本質は現場にある。

1995年、MITメディアラボのニコラス・ネグロポンテは『Being Digital』の中で、「よく訓練されたイギリスの執事のようなPC」を夢見ていました。肝心なのは、共有の知識があり、それをあなたの利益になるように使ってくれるかどうかだ、と。30年後、自分がその夢を実装しているとは思ってもみませんでした。

いま、時代の速度は人間の育成を追い越しました。AIが人より速く学習する現実の中で、私たちは一つの問いに向き合っています。

人間の一定の処理量を前提にしたヒエラルキー組織で、AI時代に挑むのか?

従来の組織論は、人を採用し、育成し、役割分担で効率化する前提で設計されてきました。その前提は、処理量が桁違いのAIとは噛み合いません。ヒエラルキーを通した意思決定と実行の流れでは、AIの生産性をそもそも活かせないのです。

東京ネット工務店自身、この問いに向き合いながら、「海老沢とAI」の体制で事業を運営する形に移行しました。AI時代に適合した組織を、自社で実装している最中です。

お客様の課題を深く理解し、最善の手を打ち続けること。それだけが私たちの仕事です。この原則は、時代が変わっても揺らぎません。

AI時代の組織論

従来型ヒエラルキー組織の前提

多くの組織は、次の前提で設計されてきました。

  • 人間一人の処理量は一定である
  • 役割分担によって組織全体の能力を拡張する
  • 上下関係を通して意思決定と実行を循環させる

この前提は、産業化以降の100年以上、有効に機能してきました。

AIがこの前提を揺るがす

AIは、以下の点で従来の前提と根本的に異なります。

  • 処理量は人間の数十倍〜数百倍。しかも24時間稼働する
  • 並列実行が容易で、役割分担のボトルネックが発生しない
  • 指示に応答する主体であって、ヒエラルキーに従属する部下ではない

ヒエラルキーにAIを組み込もうとすれば、人間の処理速度がボトルネックになります。AIの生産性を活かせない以上、AIを「従来型組織の効率化ツール」として扱うだけでは、本来の価値の一部しか引き出せません。

新しい問い:何を人に残し、何をAIと協働するか

AI時代の組織設計の出発点は、従来型の延長線上にはありません。「AI前提」で組織を組み直す必要があります。

私たちの答えは、「共有知識の深さ」を中心に置くことです。

汎用的に賢いAIは、世界中にあります。しかし、あなたの事業を知っているAIは、あなたの番頭さんだけです。事業の文脈、経営判断の軸、現場の細部——それらをAIに蓄積し続けることで、断片的な指示を的確な行動に翻訳できるようになります。

組織は、人数の多さではなく、事業文脈の深さで強くなる時代へ。小さく深い組織こそ、AIと噛み合います。

自社での実装

東京ネット工務店自身が、この考えに沿って事業を運営しています。少人数とAI社員で構成する体制で、お客様の事業を支えています。そこで得られる実感が、お客様への次の提案の土台になります。

これは一時的な移行期の姿ではなく、AI時代の組織形態の一つだと考えています。

事業アプローチ

この世界観を、お客様の事業にも持ち込みます。BANTO3継続開発サービスは、その実装です。

BANTO3継続開発サービス × AIシフト

月額固定費用で、新規開発・改修・AI統合を一貫して対応します。単なる開発会社ではなく、お客様の事業に時間をかけて番頭さんを育てていく伴走者です。

AI番頭さん(社長の分身)

社長の判断軸・哲学を学習させ、意思決定を支援するAI。社長が不在でも、判断軸に沿った対応を続けます。使い続けるほど事業の文脈が深まり、翻訳の精度が上がります。

AI社員(業務実行)

業務を実行するAIエージェント。採用・育成・マネジメントコストなしに、即戦力として動きます。繁忙期・新規事業立ち上げ時の人員不足問題を解消します。

話を聞いた人間が直接設計・開発する

営業→コンサル→設計→開発という分業体制をとっていません。お客様との対話から設計・開発・運用まで、海老沢が一貫して担当します。伝言ゲームによる価値の劣化がありません。これもまた、小さく深い組織の実践です。

経営理念・基本方針

1. 研鑽と実践の循環

理論と現場を往復しながら成果を検証し、改善を繰り返すことで、お客様の経営課題に即した解を導き出します。25年間培った現場経験と最新技術動向の融合により、実効性の高いソリューションを提供いたします。

2. 信頼に基づく長期関係

一過性の取引ではなく、長期的視点での共創関係を築きます。共有知識は継続によってのみ蓄積されます。番頭さんは、使い続けるほど深まる構造です。だからこそ私たちは、継続開発モデルを選びました。

3. 育て続ける

「作って終わり」ではなく、「育て続ける」。社会と技術の変化を先取りしながら、サービスを計画的に進化させます。レガシー化を防ぐ継続的な改善こそが、持続可能な競争優位の源泉です。

4. 倫理と責任

AI技術の活用において、データの適切な取り扱いと透明性の確保を最重要課題として位置づけています。自社開発のLocalLLM基盤による完全プライベート処理により、お客様のデータを外部に出さない運用を徹底しています。

社会的使命

中小企業への「経営参謀」の民主化

かつて有能な参謀を持てるのは、大企業だけでした。AI番頭さんは、この非対称を崩します。中小企業の社長も、採用・育成コストなしに「自分の哲学で動く参謀」を持てる時代になりました。

これは、ある種の貴族の民主化です。経営参謀という希少資源が、企業規模に関係なく手に届くようになることで、中小企業の経営判断の質が変わります。

才能増幅・拡散プラットフォーム

各企業が持つ固有の才能をAI技術で増幅し、業界全体の競争力向上につなげます。従来のコンサルティングが「外部のベストプラクティスの移植」であったのに対し、私たちは「各社固有の才能の発掘 → AI化 → 拡散」というアプローチを実践します。

AI時代の組織運営の実証モデル

私たち自身が「海老沢 + AI」で事業を回すこと自体が、AI時代の組織運営の実証例になります。中小企業が大企業のヒエラルキー組織を真似るのではなく、AI時代に適した新しい組織モデルを、私たち自身が体現し続けます。

今後について

既存顧客との関係深化を最優先に

規模拡大の圧力に抗い、既存のお客様との関係深化を最優先としています。これは単なる保守的姿勢ではなく、他社が真似できない深い関係性こそがAI時代の競争優位であるという戦略的判断に基づいています。

  • 真のニーズの完全把握:表面的な要望ではなく、根本的な課題を理解
  • 代替不可能な関係:「海老沢でないとダメ」という深い関係性の構築
  • 新しい価値の共創:各社固有の才能を発見し、AIで増幅

絶妙な不安定の継続

完全な安定は進化を止め、過度な不安定は破綻を呼びます。適度な緊張感が進化を生みます。安定しすぎたら意図的に変化を導入する姿勢を、これからも保ちます。

「海老沢 + AI」を育て続ける

共有知識は継続によってのみ蓄積されます。私たち自身の番頭さんもまた、日々深めていきます。お客様の事業と、私たち自身の事業。両方に同じパラダイムを適用し続けることが、最も正直な実証であり続けます。

これからも、お客様の顧客満足度と向き合い続けます。

株式会社東京ネット工務店
代表取締役 海老沢敦