2026-08-31/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 何が終わったか
アシックス、黒字の子会社アシックス商事を解散・清算へ 特別損失67億1700万円
株式会社アシックスは2026年8月14日開催の取締役会で、100%出資の連結子会社アシックス商事株式会社(1955年設立、神戸市須磨区)を解散及び清算する方針を決議した。全事業をアシックス本体またはアシックスジャパン株式会社へ移管したうえで会社運営を終了する。転身支援等費用等として特別損失67億1700万円を2026年12月期第2四半期連結決算で計上する。アシックス商事の2025年12月期実績は売上高774億4000万円、純資産281億5500万円、当期純利益43億1500万円で、3期連続の黒字だった。
ジャパンディスプレイ、鳥取工場の譲渡を完了 譲渡益(概算)5億円
株式会社ジャパンディスプレイは2026年8月24日、鳥取工場(土地・建物・付帯設備、鳥取県鳥取市)の譲渡について、当初2026年9月30日を予定していた物件引渡しを同日付で完了したと発表した。譲渡先は八幡東栄エステート株式会社(不動産賃貸業・セメント卸売業、資本金2,000万円)。譲渡益(概算)5億円を2027年3月期第2四半期(中間期)決算で特別利益として計上する予定。
元ゴルフ場運営の東京グリーン、破産手続開始決定 負債約155億円
東京グリーン株式会社(東京都千代田区麹町、代表・早川治良氏、資本金6000万円、設立1981年6月)が2026年8月19日、東京地裁より破産手続開始決定を受けた。破産管財人は木村真理子弁護士(ときわ法律事務所)。負債総額は約155億円、債権者は約1名。ピーク時売上高(2007年9月期)は約18億7100万円だった。
アフラック、不正アクセスで顧客約440万人分の情報漏えい 役員報酬を自主返納
アフラック生命保険は2026年7月31日、自社システムへの第三者による不正アクセスと情報漏えいに関する調査結果と再発防止策を発表した。最初の漏えいは2026年6月10日に発生。顧客約440万人の個人情報が漏えいし、うち約22万人分は保険料振替口座情報を含む。代理店約4万店の個人情報も漏えいした。「オンライン相談」と「アフラック よりそうネット」は発表時点で停止中。代表取締役会長・社長が月額報酬の30%を1カ月分、専務執行役員CDIOと常務執行役員CROが月額報酬の20%を1カ月分、それぞれ自主返納した。該当顧客への文書送付は7月10日に開始し、7月30日に完了した。
ファンコミュニケーションズ、中期経営計画を取り下げ 通期営業利益予想を38.9%下方修正
株式会社ファンコミュニケーションズ(東証プライム、証券コード2461)は2026年8月10日、2025年2月に策定・公表した中期経営計画(対象期間2025年12月期〜2027年12月期)の取り下げを発表した。同日、2026年12月期の通期業績予想も下方修正した。修正後の通期予想は売上高73億3000万円(前回予想比+3.3%)、営業利益12億0100万円(前回予想比△38.9%)、経常利益11億8100万円(△41.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益6億8700万円(△47.5%)。2026年12月期第2四半期(中間期)実績は売上高34億3400万円(前年同期比△5.8%)、営業利益4億8900万円(△54.0%)、経常利益4億5900万円(△56.1%)、中間純利益1億9880万円(△71.3%)。主力サービス「A8.net」の稼働広告主ID数は2,965件(2025年12月期末は3,084件)に減少した。
② 当時、それはどう見えていたか
アシックス商事の解散・清算は、今回の適時開示自体が方針決定の公表であり、決定前に公表されていた材料は確認できませんでした。
ジャパンディスプレイの鳥取工場は、2025年3月に液晶ディスプレイの生産を終了しており、譲渡時点で遊休資産だった。譲渡自体は2026年3月31日付「鳥取工場の譲渡のお知らせ」で公表済みで、今回はその完了の続報にあたる。車載用ディスプレイ関連の開発・設計機能は、鳥取市内の新拠点「鳥取オフィス」に移転して継続している。
東京グリーンは、運営していた「富里ゴルフ倶楽部」「カレドニアン・ゴルフクラブ」で、ゴルフ会員が入会時に預ける保証金(預託金)の償還問題を抱えていた。2008年、会社分割によりコース運営事業を別会社(東京グリーン富里カレドニアン株式会社ほか)に譲渡し、以降は休眠状態にあった。2023年12月、「富里ゴルフ倶楽部」は成田空港の工事に伴う用地買収で閉鎖された。
アフラックの発表資料によれば、不正アクセスを検知・遮断する機能自体は導入済みで、システム設計時にはセキュリティレビューと侵入テストも実施していた。今回のアクセスは通常利用時と同様の形式だったため即時検知に至らず、短時間の大量データ照会に対する監視・制御機能も不足していたとされる。同社は本事案について先行して「お詫びとお知らせ」を、続けて「第二報」を公表していたと発表資料の脚注にあるが、各回の公表日は資料内に明記されておらず確認できませんでした。
ファンコミュニケーションズは、2025年2月に策定・公表した中期経営計画で、顧客ネットワークの拡大・営業利益の成長・ROE向上を目標に掲げていた。2026年2月9日には2026年12月期の通期業績予想を公表していた。
③ 構造として残るもの
アフラックの発表資料によれば、不正アクセスを検知・遮断する仕組みは事案の前から導入されており、システム設計時のセキュリティレビューと侵入テストも実施済みだった。導入されていた仕組みは、通常利用時と異なるアクセスや、単発の大量データ照会を想定して設計されていた。今回使われた手口は、通常利用時と同じ形式でのアクセスと、短時間での大量データ照会だった。検知・防御・レビューという工程がそれぞれ導入済みでも、その工程が想定していない手口には及ばない。この構造は、同種の対策を導入している他のシステムにも共通しうる。自社が導入している検知・監視の仕組みが、どのような手口を想定して設計されているかは、システムの規模によらず担当者に確かめられる。