2026-09-04/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 何が終わったか
新潟の設備工事業アドバンスサービス、破産手続開始決定 負債推定4,000万円
新潟県柏崎市の有限会社アドバンスサービス(1999年12月17日法人改組、帆苅友一社長)が、2026年8月20日付で新潟地裁長岡支部から破産手続開始決定を受けた。負債総額は推定4,000万円(東京商工リサーチ新潟支店調べ)。同社は1997年創業、管工事・機械器具設置工事などを手掛ける設備工事業者で、冷暖房設備・冷凍冷蔵設備・空調設備・給水給湯設備などの施工に対応していた。
米Peerspace、Chapter 11を申請 資産・負債とも1,000万〜5,000万ドル
スペース仲介サービスを運営する米Peerspace, Inc.が、2026年8月30日、米連邦破産裁判所(北カリフォルニア地区)にChapter 11(連邦倒産法11章=再建型の倒産手続)を申請した(ケース番号26-30766)。申請書類上、資産・負債ともに1,000万〜5,000万ドルの範囲、債権者数は1〜49者。
米CashCall、Chapter 11を申請 資産100万〜1,000万ドルに対し負債1億〜5億ドル
消費者向け貸付業を営む米CashCall, Inc.が、2026年7月20日、米連邦破産裁判所(南カリフォルニア地区)にChapter 11を申請した(ケース番号26-03102)。申請書類上、資産は100万〜1,000万ドルの範囲、負債は1億〜5億ドルの範囲、債権者数は1〜49者。
シーイーシー、東京第二データセンター攻撃の原因をランサムウェアと特定 発生から公表まで16日
株式会社シーイーシー(東証プライム上場)は、2026年8月5日11時頃、東京第二データセンターで不正アクセスに起因する障害が発生したと8月6日の第1報で公表した。8月21日の続報で、ランサムウェアの種別および侵入経路を特定したと発表した。攻撃を受けた領域の隔離・遮断は完了しており、影響を受けたサービスは別環境で復旧済み。侵入経路の詳細はセキュリティ上の理由として非公表とした。顧客情報・機密情報の外部流出は現時点で確認されていないとしている。
Proton、フランクフルトのデータセンター冷却故障で全世界的障害 室温は30分足らずで51.9度に
Proton(スイス)は、2026年8月26日23時過ぎ(中欧時間)、フランクフルトのデータセンターで冷却装置が完全停止する障害が発生し、Mail・VPN・Calendar・Drive・Pass・SimpleLogin・Wallet・Lumoの全サービスに影響したと公式ブログで報告した。室温は約21.8度(平常時)から30分足らずで51.9度まで上昇し、一部の計測機器では60度に達した。データセンター運営業者が夜間に冗長エアコンプレッサー2系統のフィルター交換を予告なく実施し、冷却故障の発生も報告しなかったことが原因とされる。ユーザー影響は8月27日午前0時頃に始まり、主要サービスは午前1時30分、決済処理等は午前2時までに復旧した。付随するデータベースの障害は、8月29日20時54分の更新で大部分の解消が発表され、残る軽微な問題も同日中に解消したと追記された。
② 当時、それはどう見えていたか
アドバンスサービスについては、2017年3月期に多額の赤字を計上して債務超過に陥ったこと、2019年3月期の売上高が1,909万円と前年から半減したことが、決算数値として存在していた材料です。数年前から事業を休止した状態が続いていたことも、信用調査を通じて把握しうる状態でした。
Peerspace、CashCallともに、当時の材料は確認できませんでした。申請書類は資産・負債のレンジと債権者数のみを記載しており、申請に至る経緯を示す公表資料は確認できていません。
シーイーシーの8月6日第1報の時点では「現在、サービスは復旧しております」としつつ、「当該障害はサイバー攻撃の影響を受けた可能性があることから、原因の特定に向けた対応を進めています」とのみ公表しており、原因はランサムウェアと断定されていませんでした。侵入経路の詳細は、8月21日の続報でも「セキュリティ上の観点から」明かされていません。
Protonについては、データセンター運営業者側からフィルター交換の予告も、故障発生時の報告もなかったため、Proton側は室温上昇によるサーバー・ネットワーク機器の停止を通じて異常を事後に把握する形になりました。冗長構成の両系統を同時にメンテナンスするかどうかは、Proton側の関与しない範囲の判断でした。
③ 構造として残るもの
シーイーシーは、サービスの復旧を8月6日の第1報で公表し、原因がランサムウェアだったことは8月21日の続報で公表した。両者の間には16日ある。Protonは、サービスの主要部分を障害発生から2時間半ほどで復旧させた一方、根本原因(データセンター運営業者による予告のないフィルター交換と、故障発生の未報告)を説明したのは、事後の調査を経た2日後の公式ブログだった。
復旧の発表と原因の発表は、同じタイミングで揃うとは限らない。サービスを止めない対応と、何が起きたかを調べて説明する対応は別の工程で進み、後者は前者より遅れる。どこまで詳しく明かすかも事業者の判断に委ねられ、シーイーシーは侵入経路の詳細を非公表としている。委託先のシステムやデータセンターを使う会社が「復旧しました」という報告を受け取ったとき、それは「何が起きたか」の説明とは別物だと分けて読む。原因の説明が別便で来るのか、来ないのかを確かめる余地は残る。