2026-09-10/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 何が終わったか
新R25、9月末でメディア運営終了へ 開設から約9年
株式会社CAMが運営するWebメディア「新R25」は2026年9月4日、9月末でメディア運営を終了すると告知した。2017年9月の開設から約9年の運営だった。
Bitget、日本居住者向けサービスを段階的終了へ 新規登録停止は8月3日
暗号資産取引所Bitgetは、日本の規制対応を理由に日本居住者向けサービスの提供終了を発表し、2026年8月3日付で新規登録を停止した。本人確認(KYC2)の完了期限は2026年11月1日、ポジションの強制決済は2026年12月31日以降とした。
兵庫・多田神社が民事再生法を申請 宗教法人の倒産は全国3件目
兵庫県川西市の宗教法人多田神社は、2026年8月24日までに神戸地裁へ民事再生法(経営破綻した法人が再建を目指す法的手続き)の適用を申請し、裁判所から監督命令を受けた。監督委員は伊藤正治弁護士。基本財産は1,200万円。宗教法人の倒産としては全国で3件目、近畿地方では初めてとした。負債総額は調査中としている。
NFT事業のFUTURO(旧Xクリエーション)に破産手続開始決定
東京都港区でNFT・ブロックチェーン関連事業を手がけていた株式会社FUTURO(旧商号・Xクリエーション株式会社)は、2026年9月2日付で東京地裁から破産手続開始決定を受けた。破産管財人は森田雄貴弁護士。手続きは2026年6月の債権者からの申立てで始まった。設立は2013年10月。債権届出期間は2026年10月7日までとしている。負債総額は調査中としている。
米Noble Supply & Logistics、Chapter 11を申請 負債5億〜10億ドル
米マサチューセッツ州ボストンに拠点を置く機械・設備卸売業のNoble Supply & Logistics, LLCは2026年8月30日、デラウェア州の連邦破産裁判所にChapter 11(米連邦倒産法11章、再建型の倒産手続き)を任意申請した。申告資産は1億〜5億ドル、負債は5億〜10億ドル、債権者数は1,000〜5,000者。第341条債権者集会(米連邦倒産法上の債権者説明会)は2026年9月28日に予定されている。
コープやまぐちLINEミニアプリ、DB全データ消去 対象21万7,295件
生活協同組合コープやまぐちは、2026年8月27日に「コープやまぐちLINEミニアプリ」のデータベースへ第三者による不正アクセスがあり、データベース内の全データが削除されたと、2026年9月7日の第二報で公表した。同日中にバックアップからデータを復元し、サービスを復旧させた。対象は合計21万7,295件(電子マネー機能付き「ここカード」なしの組合員69,586件、ここカードありの組合員143,126件、組合員登録のない人365件、アンケート・申込フォーム回答者4,218件)。対象項目は氏名(名字のみ)・電話番号・郵便番号・組合員コード・ここカード番号・PIN番号などで、クレジットカード情報・口座情報は対象外とした。
アサヒグループHD、個人情報漏えいのおそれ約229万件に修正 発覚から遮断まで4時間
アサヒグループホールディングスは、2025年9月29日午前7時ごろに発生したシステム障害の原因が外部からのランサムウェア攻撃だったと2026年2月18日に公表し、2026年7月17日の追加報告で漏えいのおそれがある個人情報の件数を約229万件(2月公表時点の約191万件から修正)とした。内訳はアサヒビール等の顧客相談室への問い合わせ者152.5万件、祝電・弔電などの対応者11.7万件、従業員・退職者10.7万件、従業員の家族16.2万件、取引先役員・従業員など37.8万件。クレジットカード情報は対象外とした。侵入の発覚(午前7時ごろ)からネットワーク遮断・データセンター隔離までは約4時間で、侵入自体は障害発覚の約10日前から起きていた。
② 当時、それはどう見えていたか
新R25について、当時の材料は確認できませんでした。告知には、運営終了に至った経緯についての記述はありません。
Bitgetについて、当時の材料は確認できませんでした。公式発表は日本の規制対応を理由に挙げていますが、対応対象となる規制の内容についての記述はありません。
多田神社について、2023年から境内の不動産に根抵当権(一定範囲の債務を継続的に担保する抵当権)の設定が相次いでいました。2024年2月に宮司が死去し、同年9月には担保不動産の競売開始決定に基づく差し押さえを受けていました。
FUTUROについて、NFTの商業利用向けサービス開発支援、NFTゲーム人材教育コミュニティ「Samurai Guild Games」の運営、著名人のトレーディングカードのNFT販売を手がけていました。近年、取引先とのトラブルや訴訟が相次ぎ、支払いに支障が生じていました。
Noble Supply & Logisticsについて、当時の材料は確認できませんでした。連邦裁判所の記録には申請時の財務規模と手続き情報のみが記載されており、申請に至った経緯についての記述はありません。
コープやまぐちについて、当時の材料は確認できませんでした。公表文には、事前に公表されていた注意喚起や既知の脆弱性についての記載はありません。
アサヒグループホールディングスについて、当時の材料は確認できませんでした。公表文には、侵入経路となった拠点のネットワーク機器やパスワード管理について、事前に公表されていた注意喚起の記載はありません。
③ 構造として残るもの
コープやまぐちの被害は、LINEミニアプリのデータベースが単独の攻撃対象になり、全データが削除されたことで生じた。開発・運用は外部の委託先が担っており、公表文にはデータベースの権限管理やバックアップ体制についての記述はない。
アサヒグループホールディングスの被害は、侵入の発覚から遮断までは約4時間だったが、侵入自体は発覚の約10日前から起きていた。侵入経路は外部拠点のネットワーク機器で、パスワードの脆弱性を突かれて管理者権限を奪われ、社内ネットワークを横展開された。
両者に共通するのは、被害の起点が、本体が日常的に目を配る範囲の外にあったことである。コープやまぐちでは開発を委託した先が運用するデータベース、アサヒグループホールディングスでは本社から離れた拠点のネットワーク機器だった。
数人の会社では、システムの開発・運用そのものを外部の一社に任せていることが多く、データベースの権限やバックアップの仕組みを委託先に確認していないことがある。数十人になり拠点や店舗が増えると、各拠点に置かれたネットワーク機器の管理が本社の目から離れ、パスワードの設定や更新状況を本社側が把握できていないことがある。委託先のデータベース管理体制や、拠点のネットワーク機器の管理状況を、担当者に訊いて確かめる余地は残る。