2026-09-14/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 何が終わったか
Abalance、9月26日付で上場廃止 整理銘柄指定は8月25日から31日間
Abalance(証券コード3856)は2026年8月25日、東京証券取引所から株式の上場廃止決定を受けたと開示した。整理銘柄指定期間は2026年8月25日から9月25日まで、上場廃止日は2026年9月26日。
エヌ・イー ケムキャット、端末マルウェアから社内システムへ不正アクセス 検知から公表まで約3か月弱
エヌ・イー ケムキャット株式会社は2026年8月20日、従業員端末で実行されたマルウェア(悪意のあるソフトウェア)によりアカウント認証情報が窃取され、第三者が同社の一部社内システムに不正アクセスしたと公表した。不審な挙動を検知したのは2026年5月28日。対象は従業員・退職者(氏名・性別・生年月日・住所・メールアドレス・電話番号・人事情報)、派遣社員・業務委託者(氏名・性別・所属会社)、グループ会社社員(氏名・所属・役職、一部は連絡先情報)。漏えいした人数の記載はない。
GitHub、Copilot cloud agentが9時間54分機能不全 原因はクラウドDBの地域障害
GitHubは月次可用性レポートで、2026年8月20日14:43 UTC(協定世界時)に発生した障害により、GitHub Copilot cloud agentのタスク状態・結果の表示が9時間54分にわたり機能不全になったと公表した。原因は利用しているクラウドデータベースの地域障害で、データベースの遅延がストリーミングプロセッサのバックログを拡大させたこと。少なくとも54組織でタスク状態の表示が60〜90分遅延し、ピーク時はタスク状態活動の37.5%が影響を受けた。
Microsoft予測の検証、Azureは年間換算収益1000億ドル突破・後継者交代説は外れ
米調査ブログVaaSBlockは2026年9月11日、2026年3月から7月にかけて自ら公表していたMicrosoftに関する予測を、同社の実績と照合する記事を公開した。Azureの年間換算収益は2026年7月29日の決算発表で初めて1000億ドルを突破した(前年同期比43%増)。Microsoftは2026年9月時点でMicrosoft 365 E7プランを月額99ドルに値上げする一方、設備投資は255億〜260億ドルと過去最大規模になった。Nadella氏は2026年9月時点でCEOにとどまっている。
AI能力の年始予測、8月時点の検証でタスク達成速度は想定より30〜50%速い
AI研究者Ajeya Cotra氏は2026年8月14日、自身が2026年1月中旬に公表したAIの能力に関する予測を、同年8月13日時点の状況と照らして検証する記事を自身のブログ(Planned Obsolescence)に公開した。8月時点の実績では、「Slay the Spire 2」でトップクラスの人間プレイヤーに並ぶ水準には届いていない。ポケモン攻略はClaude Opus 4.7が2026年5月、Fableが6月に達成した。数学分野では2026年7月に上海で開催された国際数学オリンピック(IMO)で複数のAIが42点満点を獲得した。著者は全体のタスク達成速度を想定より30〜50%速いと評価した。
② 当時、それはどう見えていたか
Abalanceについて、開示された上場廃止理由は「内部管理体制確認書の提出前で、内部管理体制等が適切に整備される又は適切に運用される見込みがなくなったと当取引所が認める場合」(有価証券上場規程第601条第1項第9号b)。これに先立つ内部管理体制の問題の詳細は確認できませんでした。
エヌ・イー ケムキャットについて、当時の材料は確認できませんでした。公表文に、公表以前に同社が取っていたセキュリティ対策の記載はありません。
GitHubについて、当時の材料は確認できませんでした。事前の容量計画や冗長化方針についての詳細記載はありません。
Microsoft予測について、2026年3月時点の予測は「Microsoftは企業向けスタック全体を保有する強みでAzureの成長を維持する」というものでした。同時期に「Nadella氏の後継体制への移行が進む可能性がある」という予測も公表されていました。7月7日時点では「Xboxの営業利益率は目標30%から乖離した約3%にとどまり、人員削減では解決しない」という分析も出されていました。
AI能力予測について、2026年1月中旬の時点でAjeya Cotra氏は、ソフトウェアタスクの遂行能力について「50%の確率で達成できる作業時間の長さ」が伸びていく速度に関する予測を公表していました。同時に「Slay the Spire 2」でトップクラスの人間プレイヤーに並ぶゲームプレイ水準に達するという予測も示していました。
③ 構造として残るもの
Microsoft予測の検証記事は、当たった予測(Azureの成長)と外れた予測(Nadella氏の後継体制への移行)を同じ記事内で並べて示した。AI能力予測の検証記事は、想定に届かなかった項目(ゲームプレイ水準)と想定を上回った項目(ポケモン攻略、数学オリンピックでの得点)を同じ記事内で示した。どちらも、期日を待たずに期中の実績と照らし合わせ、当たった項目と外れた項目を選ばずに公表している。
事業計画や売上予測を期初に立てる行為は、中小企業でも珍しくない。違いは、その予測を期中に実績と照らして確かめる工程を持つかどうかにある。数人の会社では、期初に立てた見込みが頭の中にしか残っておらず、期末になって達成・未達を振り返る機会自体が生まれにくい。数十人になり予算や事業計画を文書化するようになると、達成した指標だけを取り上げて未達の指標に触れない振り返りが起きやすくなる。自社が期初に立てた予測を、当たった項目と外れた項目の両方を並べて期中に確かめられているかは、規模によらず訊ける点である。