2026-10-02/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 何が終わったか
ニデック、車載・家電など非金融資産を減損し最終赤字5,646億24百万円
ニデック株式会社(証券コード6594、東証プライム)は2026年9月30日、2026年3月期決算短信〔IFRS(国際財務報告基準)〕(連結)を公表した。車載事業のセグメントで非金融資産の減損損失(資産の収益性低下に応じて帳簿価額を引き下げる会計処理)2,310億85百万円、家電・商業・産業用事業のセグメントで同3,351億39百万円を計上し、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,646億24百万円の赤字(前期は846億72百万円の黒字・修正再表示後)となった。売上高は2兆7,087億5百万円(前期比+3.9%)、営業利益は5,189億78百万円の赤字、税引前利益は4,962億14百万円の赤字だった。本決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外と明記されている。
OKI、早期退職668人応募 特別退職金100億円を特別損失計上へ
沖電気工業株式会社(証券コード6703、東証プライム)は2026年9月29日、2026年8月17日から9月25日まで募集した「セカンドキャリア支援制度特別措置」(早期退職)の応募結果を公表した。連結で668人(うち同社単独369人)が応募し、退職日は2026年10月31日。発生する特別退職金の総額は100億円程度の見込みで、2027年3月期第2四半期決算で特別損失(通常の事業活動以外で発生した損失)として計上する予定。本施策による2027年3月期の連結業績予想の修正はないとしている。
日本トイザらスが民事再生、負債132億円
日本トイザらス株式会社(神奈川県川崎市、1989年設立)が2026年10月1日、東京地裁に民事再生法(経営破綻した企業が事業を継続しながら再建を図る手続き)の適用を申請し、同日監督保全命令を受けた。負債総額は約132億円、債権者数は約1100名。売上高は2007年1月期の約1943億6400万円から2025年12月期は約752億1100万円まで減り、8期連続の赤字だった。
英Kith&Kind、純負債11万1000ポンドの資産超過割れから1年で清算
英国の専門サービス業Kith&Kind Limited(ロンドン)が2026年9月24日付で清算人を選任し、債権者主導の自発的清算(Creditors' Voluntary Liquidation、債権者の決議で開始する清算手続き)に入った。選任はロンドン・ガゼットに同年10月1日付で公表された。清算人はMaidment Judd所属のHayley Maddison氏。2025年9月30日時点の決算では、総資産6万3000ポンド、負債総額17万4000ポンド、純負債11万1000ポンド、銀行預金1万2000ポンドだった。
Azure、ゲートウェイ関連サービスで5時間45分の接続障害
Microsoftは、2026年9月30日20:30 UTC(日本時間10月1日5:30)から10月1日02:15 UTC(同11:15)にかけて、Azureのゲートウェイ関連サービスで接続障害が発生したと公表した(トラッキングID 7Q30-010)。対象として名前が明示されているのはFrance Central、North Europe、Southeast Asia、UK South、UK Westの5リージョン。影響を受けたサービスはAzure ExpressRoute Gateway、Azure Firewall、Azure Application Gateway and Web Application Firewall、Azure VPN Gateway、Azure VMware Solutionの5つ。障害の継続時間は約5時間45分だった。
両毛システムズ、VPNアカウント悪用のランサムウェア被害 発生から3度目の報告
両毛システムズは、2026年8月12日に外部の第三者がVPN機器のアカウントを悪用して社内ネットワークに侵入し、ランサムウェア攻撃を受けたと公表した。異常検知は8月14日未明。8月15日に初報、8月19日に第2報、9月25日に第3報を公表した。侵入から検知までは約2日。漏えいのおそれがある個人情報・営業情報・取引情報の件数・項目は、第3報(9月25日)時点でも「精査中」としており、確定件数は示されていない。
② 当時、それはどう見えていたか
ニデックについて、2025年9月3日に日本弁護士連合会の「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置していた。2026年2月27日に調査報告書、同年4月17日に最終報告としての調査報告書(追補)を受領し、過年度において重要性の観点から訂正を行っていなかった事項の訂正を含め、不適切な会計処理に伴う虚偽表示を修正再表示した。決算確定までの間、監査法人の意見は得られていなかった。
OKIについて、本制度は2026年7月15日に公表済みだった。対象は2026年10月31日時点で満55歳以上かつ勤続10年以上の正社員および定年退職後再雇用者で、募集人数の上限は定めていなかった。応募人数668人という結果は、募集期間の終了後に確定した。
Microsoftについて、当時の材料は確認できませんでした。公式ページは終了理由を「新しい機能に注力するため」とし、該当する機能はWordやPowerPointなど他のMicrosoft 365アプリで利用可能だとしている。
日本トイザらスについて、米国親会社Toys"R"Us, Inc.は2017年9月に米連邦破産法チャプター11を申請済みだった。日本法人は2026年1月に代表者が交代し、親会社から動産譲渡登記が設定されていた。民事再生の申請前に、スポンサーとしてパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスと事業譲渡契約を締結していた。
Kith&Kindについて、清算手続き開始の約1年前にあたる2025年9月30日時点の決算(Companies Houseに提出された年次決算書)で、すでに資産を負債が11万1000ポンド上回る状態だった。この決算は清算手続き開始前に、提出義務に基づき公開情報になっていた。
Microsoftについて(Azure)、当時の材料は確認できませんでした。詳細な根本原因分析(PIR)は事象公表から14日以内に別途公開される方針で、本稿執筆時点では未公開。原因として挙げられているのは、ゲートウェイ管理サービスへの変更と、別系統で進行していたOS保守作業が重なったことによる負荷の想定超過。
両毛システムズについて、当時の材料は確認できませんでした。VPN機器のアカウントがどのように悪用されたか、具体的な手法は公表されていない。
③ 構造として残るもの
両毛システムズの侵入口は、社外から社内ネットワークに接続するためのVPN機器のアカウントだった。漏えいのおそれがある対象には、取引先の事業者や個人の顧客も含まれるとされている。
自社がVPNで社外からの接続を受け入れている場合、侵害を受けるのは自社だけではない。取引先がVPNアカウントを悪用されれば、自社の情報がその経路から流出する側にもなる。自社のVPNアカウントの管理(パスワードの使い回し、多要素認証の有無、退職者アカウントの削除)と、取引先に預けている自社の情報の扱いの両方を、確認できる事柄として挙げられる。