2026-10-05/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 何が終わったか
八潮運輸、会社更生手続き開始決定 負債11億1700万円
八潮運輸株式会社(北海道北斗市、貨物自動車運送業、代表小滝博一氏)は2026年9月9日、東京地裁に会社更生法(裁判所主導で経営破綻した企業の再建を図る法的手続き)の適用を申請し、同日保全・包括的禁止命令(申請後、個別の債権回収を禁じる命令)を受けた。2026年10月1日、更生手続き開始決定を受けた。更生管財人には三枝知央弁護士(はぜのき法律事務所)が選任された。対象となる負債は債権者約29名に対し約11億1700万円。本件は、負債総額50億円未満の会社を対象に2025年4月から東京地裁が導入した小規模会社更生案件で、北海道では初めてだった。
米ウェブトゥーン「Tapas」、2027年3月31日でサービス終了
米国のウェブトゥーン・ウェブ小説プラットフォーム「Tapas」の運営元Tapas Media Inc.は2026年10月1日、プラットフォームの終了を発表した。10年超運営していた。同日からプラットフォーム内通貨「Ink」の新規購入を停止し、既存のInkは2027年3月31日まで利用できる。サービス自体の終了日は2027年3月31日。
英NCP Commercial Services、administration入り PwC3名が共同管財人に
英国のNCP Commercial Services Limited(法人登記番号06065600、「NCP」の商号で駐車場の管理・運営を行う)について、2026年9月30日付でPricewaterhouseCoopers LLPのEdward Williams氏・Timothy Andrew Higgins氏・David Robert Baxendale氏の3名が共同管財人(Joint Administrators)に選任された。administration(事業継続を前提とした英国の管理命令で、会社を解散する清算とは異なる)入りの公告は、2026年10月1日付で英国官報(The Gazette)に掲載された。事件番号はCR-2026-007562(England and Wales高等法院)。負債額は官報公告に記載がない。
OpenAI、ChatGPT・Codex・APIで9月29日に5時間22分の障害
OpenAIは、2026年9月29日17時52分(UTC、日本時間9月30日2時52分)から同日23時14分(UTC、日本時間9月30日8時14分)まで、ChatGPT・Codex・API(Agents API含む)で広範なエラー増加が発生したと自社ステータスページで公表した。継続時間は5時間22分。障害発生中、リクエスト失敗、ログイン・サインアップの失敗、タスク未完了が起きていたと記載されている。影響を受けたコンポーネントは30(API関連12、ChatGPT関連14、Codex関連4)で、ChatGPTの会話・ログイン、Codexのweb版・API・CLI・VS Code拡張機能などが含まれていた。根本原因分析(RCA)は「5営業日以内に公開予定」とされ、本稿作成時点(2026年10月5日)で未公開。
イエローハット子会社「2りんかん」、不正アクセスで317万9,454名分漏洩
株式会社イエローハットの連結子会社・株式会社2りんかんイエローハットが運営する「2りんかん」(旧ドライバースタンド含む)のポイント・モバイル・アプリ会員向けサービスで、アプリの仕組み(API、システム間でデータをやり取りする仕組み)を悪用した不正アクセスにより会員データが取得された。イエローハットは2026年6月19日、第三報・最終報として調査結果を公表した。対象は317万9,454名分で、第二報時点の「最大345万5,754名分」から特定・下方修正された。漏えいした情報は氏名・住所・電話番号・生年月日・性別・メールアドレス・会員番号・アプリユーザーID・アプリパスワード・ポイント残高・車両情報。クレジットカード情報は外部の決済システムを利用しており対象外。
ファインズの予約システム、不正アクセスで153万6,322件漏洩
株式会社ファインズが運営する予約システムで2026年9月22日、システムの異常を検知し、調査の結果、第三者による不正アクセスを確認した。同社は2026年9月25日、速報として公表した。対象は153万6,322件で、漏えいした情報は予約者の氏名・電話番号・メールアドレス・予約店舗・メニュー・日時等。原因は「調査中」とされ、速報時点では記載がない。
② 当時、それはどう見えていたか
八潮運輸について、帝国データバンクによれば、コロナ禍の規制解除後、運送受託が増加した2023年3月期の年収入高は約17億2000万円だった。この間、函館地域での運送量減少、燃料価格・人件費高騰で収益が悪化していた。2022年に開設した物流センターは見込んでいた運送受託の獲得に結びつかず、過剰な設備と有利子負債を抱えた。2025年3月期の年収入高は約15億9700万円にとどまり、最終赤字は約1億5400万円。2026年3月期は社有不動産の売却で最終黒字約4億9400万円を計上したが、多額の税金の支払いが生じ、資金繰りが悪化した。9月18日付で三井住友銀行との当座貸越契約(極度額1億円)を締結し、DIPファイナンス(法的手続き中の会社が新たに受ける融資)を受けられるようにしていた。
Tapasについて、当時の材料は確認できませんでした。告知文には「10年以上運営した末の非常に難しい決定」との記載のみで、終了に至った経営上の理由は記載がない。
NCPについて、当時の材料は確認できませんでした。官報公告には管財人選任の事実と所属のみが記載され、申請に至る経緯の記載はない。
OpenAIについて、当時の材料は確認できませんでした。障害発生当初の更新には「リクエストの失敗、ログイン・サインアップの失敗、完了しないタスクが起きている」との記載があったのみで、原因の記載はない。
2りんかんについて、発生日・発覚日の公表は確認できなかった。第二報の時点では対象を「最大345万5,754名分」としていた。最終報(第三報)で、詳細なログ解析の結果317万9,454名分に特定・下方修正されたと公表された。
ファインズについて、速報の時点で発生日(2026年9月22日)と対象件数(153万6,322件)は公表されたが、原因は「調査中」とされ、侵入経路の記載はなかった。
③ 構造として残るもの
八潮運輸は2026年3月期、社有不動産を売却して最終損益を黒字約4億9400万円に転じた。その年に資金繰りは悪化した。売却益には税金がかかり、現金で払う必要がある。売却した不動産そのものは手元に戻らない。
損益計算書上の黒字と、手元に残る資金は別の数字になる。資産を売って損益を黒字にした年に、税金の支払いが重なれば、黒字の年のほうが資金繰りが悪化することがある。自社や取引先の決算で、黒字の中身が本業の利益か、資産売却など一時的な要因かを確認できる。