2026-10-17/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 何が終わったか
松江市の土木工事業者・八島工業が破産、負債6億円
島根県松江市の土木工事業者・八島工業は、2026年10月1日以降事業を停止し、2026年10月9日に松江地裁から破産手続開始決定を受けた。負債総額は約6億円。
所沢市のモヤシ製造・サイキ食品が事業停止、負債15億円
埼玉県所沢市のモヤシ製造業者・サイキ食品は事業を停止し、事後処理を弁護士に一任した。自己破産の申請を近く行う見通し。関連会社のデリオール(所沢市)も同時に事業を停止した。負債総額は約15億円。1961年に東京都東村山市で創業し、本社工場と埼玉県ふじみ野市の工場の2拠点で、秩父山系の天然水を使い1日約40トンのモヤシを生産していた。
英ランカスターの型枠工事業者Fibaform Productsがadministration入り
英国ランカスターの建設関連会社Fibaform Products Limited(会社番号03384811)は、2026年10月6日、Richard John Harrison氏とHoward Smith氏(Interpath Advisory)がadministrator(英国のadministration手続きで会社の管理・処分を担う役職)に任命され、administration(裁判所の監督下で会社の整理・再建を図る英国の手続き)に入った。裁判所事件番号はCR-2026-MAN-001396(The Business and Property Courts of Manchester)。
ジュン、委託先クラウド基盤の不正アクセスで外部流出なしと結論
ジュン株式会社は、業務委託先が利用するクラウド基盤(IDCFクラウド、運営はIDCフロンティア)で2026年10月7日に不正アクセスが発生したと公表した。2026年10月14日更新の第3報で、保管されていた顧客のメールアドレスについて外部への流出は確認されなかったと結論した。対象件数は公表されていない。
ピーチ・ジョン、同じクラウド基盤の不正アクセスでメールアドレス漏えいの可能性
ピーチ・ジョンは2026年10月14日、メールマガジン配信サービスを提供するIDCフロンティア社で発生した不正アクセスにより、一部顧客のメールアドレスが漏えいした可能性があると公表した。漏えいの可能性がある情報はメールアドレスのみで、氏名・住所・電話番号・カード番号は対象サービスで扱っていないため対象外とした。
② 当時、それはどう見えていたか
八島工業について、当時の材料は確認できませんでした。東京商工リサーチ鳥取支店の調査によると、2024年9月期の売上高は5億3,212万円でピークを付けた後、2025年9月期は3億4,901万円に減少し、労務費の増加と本社事務所新築に伴う経費負担を吸収できず同期に1億6,037万円の赤字を計上して債務超過に陥ったという経緯は、破産手続開始決定後の調査で判明したもの。
サイキ食品について、当時の材料は確認できませんでした。事業停止に至った具体的な経緯は、公開された記事の範囲では確認できない。
Fibaform Productsについて、当時の材料は確認できませんでした。Gazette公告にはadministrator任命の事実のみが記載され、administration移行に至った経緯の記載はない。
ジュンについて、当時の材料は確認できませんでした。不正アクセスの手法そのものは公表されていない。IDCフロンティアが外部セキュリティ会社とともに実施した調査では、対象サーバーのデータが閲覧・持ち出しされた痕跡は確認されず、業務委託先からも委託していた個人情報の漏えいはなかったと報告を受けたという結果が、第3報で示された。
ピーチ・ジョンについて、当時の材料は確認できませんでした。公表時点でサービス提供事業者とピーチ・ジョンの双方が詳細を調査中であり、原因・経路は示されていない。
③ 構造として残るもの
八島工業は、2025年9月期に1億6,037万円の赤字を計上して債務超過に陥り、その後2026年9月期に入って資金繰りが悪化し、債務超過から約1年後の2026年10月1日に事業を停止した。
単年度の赤字が債務超過に直結し、資金繰りの悪化を経て1年前後で事業停止に至る経路は、人件費や設備費などの固定費が増えても受注量でそれを吸収しにくい中小企業に共通しうる。自社の決算が複数期にわたって悪化傾向にあるか、固定費が売上の増減にどれだけ追随して動く構造になっているかは、過去の決算を遡れば確かめられる。