2026-10-22/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 何が終わったか
マイクロアド、出資比率100%のシンガポール中間持株子会社を解散・清算
株式会社マイクロアドは2026年9月29日開催の取締役会で、連結子会社MICROAD SINGAPORE PTE. LTD.の解散および清算を決議した。特定子会社の異動に該当する。同子会社の資本金は3,700,517米ドル、設立は2012年8月16日、マイクロアドの出資比率は100%。業績への影響額は精査中、清算結了の具体的な日程は未定。
Getty Images、事前協議型Chapter11を申請 主要株主が5億3,300万ドルの再建資金を提供
Getty Images Holdings, Inc.(米国、NYSE上場の画像配信企業)と子会社6社は、2026年10月21日、米デラウェア州連邦破産裁判所に連邦破産法第11章(Chapter 11、日本の会社更生に相当する米国の再建型手続き)の適用を申請した。10月12日に主要株主および一部債権者と再建支援契約(RSA)を締結したうえでの、事前協議型(prepackaged)の申請。対象債務は米ドル建てタームローン約4,010万ドル、ユーロ建てタームローン約4億700万ユーロ、リボルビング融資約1億5,000万ドル、11.250%担保付シニアノート(2030年満期)約5億3,990万ドル、14.000%シニアノート(2028年満期)約2億6,470万ドル、9.750%シニアノート(2027年満期)約530万ドル。主要株主による出資コミットメントは約5億3,300万ドルで、DIPファイナンスと債務の株式転換を含む。
ガイアファンディング、債権者破産で手続き開始 負債60億4,535万円
ソーシャルレンディング(インターネット経由で多数の出資者から資金を集め、企業に貸し付ける仕組み)事業「Gaia Funding」を運営するガイアファンディング株式会社(東京都港区)が、債権者の申立てにより東京地裁から2026年10月14日に破産手続き開始決定を受けた。負債総額は約60億4,535万円、債権者(出資者)は約2,738人。
シチズン時計、問い合わせ委託先への不正アクセスで約10万人分漏えいの可能性
シチズン時計は2026年10月6日、問い合わせ対応を委託していた株式会社スカラコミュニケーションズのサーバーが2026年10月2日20時33分頃から10月3日8時1分頃まで(約11時間半)不正アクセスを受け、問い合わせ内容に含まれる個人情報が漏えいした可能性があると公表した。対象は約10万人分、対象情報は氏名、住所、電話番号、メールアドレス等(問い合わせ内容に銀行口座・クレジットカード情報の記載があった場合はそれも対象になる可能性がある)。シチズン時計自身のシステムへの不正アクセスは確認されていないとしている。
Cloudflare、eMudhra発行の中間証明書8件で秘密鍵侵害を公表
Cloudflareは2026年10月20日、認証機関eMudhraが発行した中間証明書8件に関連する秘密鍵が侵害されたと公表した。これらの中間証明書はブラウザ・OS・Cloudflare内部で広く信頼される設定になっていた。Cloudflareは10月19日17時頃(UTC)に侵害を認識し、10月20日02:00 UTC(Cloudflare One Client・WARPアプリの更新)、09:15 UTC(Cloudflare Tunnelの更新)、19:20 UTC(CDN・サーバー側Zero Trustの緩和策の完全展開)の3段階で対応を公開した。
② 当時、それはどう見えていたか
マイクロアドについて、同子会社は海外グループ会社を統括する中間持株会社として機能していた。マイクロアドは日本本社による直接管理体制へ移行する方針とし、意思決定の迅速化と管理コストの削減を理由として挙げていた。
Getty Imagesについて、10月12日付のForm 8-Kで、担保付債権者の約89%、リボルビング融資貸し手の100%、無担保社債権者の約83.5%がRSAに賛同していると公表されていた。申立てから55日以内の再建計画確認、75日以内の発効というスケジュールも同時に開示されていた。
ガイアファンディングについて、同社は匿名組合契約(出資者が事業の損益を分配される契約形態)を通じて出資者から資金を集め、米国不動産を担保とするローンファンドを、年利約10%の利回りとして広告していた。2015年7月設立。
シチズン時計について、当時の材料は確認できませんでした。委託先のセキュリティ対策がどのように公表されていたかは、シチズン時計の発表に記載がありません。
Cloudflareについて、侵害された中間証明書は発覚前から、ブラウザ・OS・Cloudflare内部のトラストストア(信頼できる証明書の一覧)に組み込まれ、広く信頼される状態にあった。鍵がどのように侵害されたか、鍵がなぜ脆弱だったかは、Cloudflareの発表に記載がありません。
③ 構造として残るもの
シチズン時計の事案で侵害されたのは、問い合わせ対応を委託していた先のサーバーだった。Cloudflareの事案で侵害されたのは、認証機関が発行した証明書の秘密鍵だった。どちらも、自社が直接管理していない場所で起きた問題について、自社の名前で利用者に説明する事態になっている。
問い合わせフォームの受付、決済、認証、クラウド基盤など、業務の一部を外部に委託したり共有の基盤に乗っている企業は、委託先・基盤提供者のセキュリティ対応が自社の説明責任に直結する。委託先を選ぶ契約の段階だけでなく、委託先が今どのような対応をしているかを確かめることは、決裁を経ずに担当者が確認できる。