2026-10-29/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 何が終わったか
『Pokémon UNITE』、2027年3月23日にサービス終了 Switch版開始から5年8か月
『Pokémon UNITE』は2026年10月27日、公式サイトで2027年3月23日9:00(日本時間)のサービス終了を発表した。対象はNintendo Switch版・スマートフォン版の両方。Switch版は2021年7月21日に開始しており、終了まで約5年8か月の運営だった。ジェム(本作のアイテム購入に使う有料ポイント)の販売は同10月27日14:00に停止した。
Arc開発のThe Browser Company、12月22日にブラウザ終了・アカウントも無効化
The Browser Company of New Yorkは公式サイト「A farewell to Arc」で、ブラウザ「Arc」をmacOS・Windows版ともに2026年12月22日で終了すると発表した。同日、利用者のアカウントも無効化される。
Google Cloudのeurope-west2、電源切替の配線誤りで6時間8分停止
Google Cloudは、ロンドンのeurope-west2リージョンで2026年10月19日23時00分(米国太平洋時間)から10月20日05時08分(同)まで、Compute Engine、GKE、Cloud SQL、Cloud Storage、BigQuery、Pub/Subなど30以上のサービスに障害が生じたとする公式インシデントレポートを公表した。継続時間は6時間8分。影響はeurope-west2-bゾーンを中心に、同リージョンのa・cゾーンにも波及した。
IDCフロンティア、クラウド管理ポータルの脆弱性からランサムウェア侵入 495社に影響
IDCフロンティアは、クラウドサービス「IDCFクラウド」の一部仮想サーバーが停止・暗号化された障害について、2026年10月27日公表の第7報で調査結果をまとめた。影響を受けたのは495社。このうち最大71社の登録情報に不正な照会があり、個人名や個人名を含む可能性のあるメールアドレス等が最大31件確認された。不正に変更されたログインパスワードは最大4件で、いずれもリセット済み。バックアップからデータを取り出せたのは206社だった(当初公表時は194社)。
UEX、通期経常利益予想を2,000~2,400百万円から2,800~3,300百万円に上方修正
UEX(東証スタンダード、コード9888)は2026年10月22日、2026年8月7日公表の2027年3月期(通期)連結業績予想を修正したと公表した。通期経常利益は2,000~2,400百万円から2,800~3,300百万円に、中間期(2026年4~9月)経常利益は1,000~1,200百万円から1,320百万円に修正した。通期売上高は54,000~59,000百万円から55,000~60,000百万円(増減率1.7~1.9%)、通期営業利益は2,100~2,600百万円から2,900~3,400百万円(同30.8~38.1%)、通期純利益は2,700~3,300百万円から3,200~3,700百万円(同12.1~18.5%)に修正した。
ヒューリック、通期経常利益予想を1,900億円に上方修正、年間配当は70円に
ヒューリック(東証プライム、コード3003)は2026年10月28日、2026年12月期第3四半期(1~9月累計)決算短信を公表した。通期連結業績予想は経常利益190,000百万円(前期比9.8%増)、年間配当予想は70.00円(2025年12月期実績62.00円)とした。同決算短信は「直近に公表されている業績予想からの修正の有無:有」「直近に公表されている配当予想からの修正の有無:有」と明記している。1~9月累計の経常利益は101,098百万円(前年同期比10.4%増)。通期予想は売上高900,000百万円(同23.7%増)、営業利益217,000百万円(同16.1%増)、純利益126,000百万円(同10.2%増)とした。
② 当時、それはどう見えていたか
『Pokémon UNITE』について、当時の材料は確認できませんでした。公式発表に終了理由の記載はなく、「誠に勝手ながら」とのみ記載されている。
Arcについて、The Browser Companyは終了理由として、ブラウザの安全性維持には継続的な対応が必要で、その負担がAI時代に増していることを挙げている。発表日はページに明記がない。
Google Cloudについて、施設は10月14日に実施した発電機の負荷試験で見つかった不具合を修理するため、電源2系のうち1系(フィードB)を遮断した単一給電の状態だった。外部の地中ケーブル障害でもう一方の電源(フィードA)が停止した際、発電機は自動起動しなかった。公式報告書は、原因を発電機を制御するPLC(設備を自動制御する装置)の電圧検知の配線が、遮断中のフィードB側のブレーカーより上流にあったため、PLCが「停電していない電源がある」と誤認識したこととしている。無停電電源装置(UPS)のバッテリーが尽きたあと、同ゾーンの物理サーバーとネットワーク機器が電源を失った。
IDCフロンティアについて、10月7日午前3時40分頃、東日本リージョン1の一部(tesla・henry・pascal・jouleの4ゾーン)で仮想サーバーの停止・再起動ができなくなり、その後ランサムウェア(データを暗号化し復旧の対価を要求する不正プログラム)攻撃で一部仮想サーバーが停止・暗号化された。第7報は、原因を顧客向け管理画面「IDCFクラウドポータル」の認証システムに使われていたオープンソースソフトウェアの脆弱性が悪用されたこととし、攻撃者はこの認証システムから侵入し、管理コンソールを経由して仮想化基盤(複数の仮想サーバーを動かす共通の基盤)の管理者権限を不正に取得したとしている。仮想サーバー内データの外部流出は確認されておらず、攻撃者との接触や身代金の支払いはないとしている。侵入の具体的な時期や、悪用された脆弱性の特定情報は第7報に記載がない。
UEXについて、2026年8月7日公表の前回予想(通期経常利益2,000~2,400百万円)が修正前の材料だった。会社は修正理由として、原料価格・諸コスト上昇に伴うステンレス鋼メーカーの値上げと、それに対応した自社の販売価格改定、および半導体関連需要の急回復による販売数量の計画超過を挙げている。
ヒューリックについて、当時の材料は確認できませんでした。修正前の具体的な予想数値は、入手できた決算短信の範囲では確認できず、修正前後の対比は同日公表の別文書「通期業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」に記載されている。
③ 構造として残るもの
IDCフロンティアの事案で侵入の起点になったのは、顧客ごとの環境ではなく、顧客向け管理ポータル1つの認証基盤だった。そこを抜けた先に、495社分の仮想サーバーを動かす仮想化基盤の管理者権限があった。Google Cloudの事案で障害が広がったのは、電源を二重化していたにもかかわらず、保守のため片系を止めている間、もう片系の故障を検知する配線の前提が崩れていたためだった。
どちらも、契約している基盤の中身を自社では見られない。クラウド・SaaSを使う中小企業が確かめられるのは、契約先が過去に公表した障害・侵入の報告書を読み、管理ポータルや冗長構成のどの部分が共有されているか、同じ基盤を使う契約先全体にどこまで影響が及ぶ構造かを把握することである。決裁を経ずに、その報告書を読むことはできる。