2026-11-03/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 何が終わったか
スマートドライブ、マレーシア子会社の転換社債・株式評価損で特別損失85百万円
株式会社スマートドライブは2026年10月20日、連結子会社SMARTDRIVE SDN. BHD.(マレーシア、SDマレーシア)の持分法適用関連会社(経営に影響力を持つ関連会社で、業績の一定割合を自社の損益に反映する会社)57CODEBOX SDN. BHD.が発行した転換社債(株式に転換できる権利を持つ債券)の評価損19百万円(投資有価証券評価損)と、SDマレーシア株式の評価損66百万円(関係会社株式評価損)を、2026年9月期の決算で計上すると公表した。個別の合計は85百万円。関係会社株式評価損66百万円は連結決算で消去されるため、連結業績への影響は19百万円。2026年9月期の連結業績予想の修正はない。確定値は2026年11月13日公表予定の決算短信で開示される。
SENCIA、岡山地裁倉敷支部から破産手続開始決定 負債は約5000万円
半導体製造装置の設計・製作を手掛ける株式会社SENCIA(岡山県浅口市、資本金300万円、2016年2月設立)が、2026年10月19日、岡山地方裁判所倉敷支部から破産手続開始決定を受けた。負債総額は約5000万円。年売上高は2023年9月期が約1億4000万円、2025年9月期は約3300万円。
米Holy Redeemer Health System、連邦破産法11章を申請 資産・負債は1億〜5億ドル
米ペンシルベニア州の医療法人Holy Redeemer Health Systemが、2026年11月1日、米連邦破産裁判所ペンシルベニア州東部地区に連邦破産法11章(Chapter 11=事業継続を前提とした再建型の法的整理手続き)の申請をした。事件番号26-14632、担当判事Derek J Baker。申請書に記載された資産規模・負債規模はいずれも1億〜5億ドル(範囲表示)、債権者数は200〜999(範囲表示)。
Gunosy、業務アカウント侵害で取引先担当者ら132人の情報流出
Gunosy(東京都)は2026年10月21日に第三者による不正アクセスを検知し、同月26日、取引先担当者25名・役職員等107名(計132名)の氏名・メールアドレス等の流出を公表した。サービス利用者の情報の流出は確認されていない。
ドトールコーヒー、4店舗の従業員・退職者951人の情報流出のおそれ
ドトールコーヒー(東京都)は2026年10月20日に不正アクセスを検知し、同月26日、都内4店舗(西武大泉学園駅店・国立大学通り店・東京駅八重洲中央口店・石神井公園駅前店)に勤務していた従業員・退職者計951名の氏名・生年月日・住所・メールアドレス・電話番号・銀行口座番号が外部に流出したおそれを公表した。顧客情報の流出は現時点で確認されていない。
システムファイブ、不正アクセスで最大15,671人に情報流出のおそれ
オンラインショップを運営するシステムファイブは2026年10月24日に不正アクセスに関する最初のお知らせを出し、同月27日、オンラインショップ登録顧客のうち最大15,671名の氏名・メールアドレス・顧客ID・ポイント・商品レビュー関連情報が不正に取得されたおそれがあると公表した。クレジットカード情報・パスワード・電話番号・住所の流出は確認されていない。
中部電力、浜岡原発3・4号機の審査申請取り下げで2,150億円の最終赤字に下方修正
中部電力は2026年10月29日、2027年3月期の連結業績予想を修正した。経常利益は1,850億円から1,100億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,600億円の黒字から2,150億円の赤字に修正した。浜岡原子力発電所3・4号機の新規制基準適合性審査の申請を取り下げたことに伴い、減損損失(資産の帳簿価格を実際の価値に合わせて切り下げる処理に伴う損失)と核燃料評価損(原子力発電で使う核燃料の資産価値を見直した評価損)を含む特別損失(本業以外の要因で一時的に生じる損失)を計上する。第2四半期の特別損失は減損損失3,049億円(原子力発電事業の電気事業固定資産など)と核燃料評価損653億円の合計3,703億円、通期では第3四半期以降の見込み分を含め約3,800億円。1株当たり当期純利益は211.81円から−284.51円に修正した。
米Entergy、第3四半期EPS1.98ドルで通期見通しを4.35〜4.45ドルに絞り込み
米電力会社Entergy Corporationは2026年11月2日、米証券取引委員会(SEC)にForm 8-Kを提出し、2026年第3四半期決算を発表した。第3四半期の調整後1株当たり利益(EPS)は1.98ドル(前年同期は1.53ドル)。2026年通期の調整後EPS見通しを4.35〜4.45ドルの範囲に絞り込んだ。
② 当時、それはどう見えていたか
スマートドライブ
開示文では、SDマレーシアで損失計上が続き財政状態が悪化していたことが評価損の理由として説明されている。この財政悪化そのものが独立して事前に公表されていたかは確認できませんでした。
SENCIA
帝国データバンクの発表によると、地元の半導体製造装置メーカーから装置の設計・製作を受託してきたが、外部環境の悪化で得意先からの受注が大きく減少し、年売上高は約1億4000万円から約3300万円まで縮小した。近時も受注は回復せず、事業継続が困難となったとされている。
Holy Redeemer Health System
当時の材料は確認できませんでした。申請書上の資産・負債は範囲表示のみで、申請に至った具体的な経緯は現時点で公開されていません。
Gunosy
当時の材料は確認できませんでした。公表資料では、不正に入手した社内業務用アカウントのID・パスワードでクラウド環境と業務ツールに不正ログインされたと説明されているが、認証情報の入手経路は調査中とされている。
ドトールコーヒー
当時の材料は確認できませんでした。公表資料に侵入経路の記載はありません。
システムファイブ
当時の材料は確認できませんでした。公表資料に侵入経路の記載はありません。
中部電力
2026年7月29日公表の前回予想(経常利益1,850億円、当期純利益1,600億円の黒字)は、浜岡原発3・4号機の新規制基準適合性審査の申請を維持する前提だった。中部電力は10月29日の発表で、従前の申請を維持することは適切ではないと判断し申請を取り下げたとしている。取り下げの理由として、再稼働時期や安全性向上対策工事などの不確実性が高まったことを挙げている。
Entergy
絞り込み前の通期見通しレンジは、入手した開示資料(8-K・Exhibit 99.1)本文には記載がなく、確認できませんでした。
③ 構造として残るもの
スマートドライブは、持分法適用関連会社・海外子会社の財政状態悪化を理由に、投資有価証券・関係会社株式の評価損を計上した。中部電力は、浜岡原発3・4号機の審査申請維持を前提に計上していた電気事業固定資産・核燃料の評価が、その前提(審査申請の維持)が崩れたことで減損損失・核燃料評価損として表面化した。どちらも、資産の金額は何らかの前提(先方の財政状態、許認可の維持)の上に置かれており、その前提が崩れた時点で、それまで先延ばしにされていた評価の見直しが一度にまとまって損失として表面化する。前提を置いて資産を計上している会社では、前提そのものの点検を怠ると、見直しが一度にまとまって表面化する。