2026-11-04/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 何が終わったか
AIメカテック、合弁会社NLTの解散・清算を承諾 純資産は1年で52%減少
AIメカテック株式会社(東証スタンダード、6227)は2026年10月20日の取締役会で、持分法適用関連会社(経営に影響力を持つ関連会社で、業績の一定割合を自社の損益に反映する会社)ナノリソティックス株式会社(NLT、2023年7月3日設立のナノインプリントリソグラフィー事業の合弁会社)の解散・清算を承諾することを決定した。NLTにおける解散決議は2026年10月28日予定、会社清算完了は2027年6月期中の見込み。解散に伴う損失額は精査中としている。NLTの資本金は1億7,000万円、資本準備金は1億7,000万円。出資比率はオプトラン58.8%、AIメカテック29.4%、JSR11.8%。売上高は2023年12月期ゼロ、2024年12月期500千円、2025年12月期1,626千円。当期純損失は2023年12月期1,526万5千円、2024年12月期5,951万7千円、2025年12月期1億609万9千円と拡大した。純資産は2024年12月期の3億2,473万4千円から2025年12月期は1億5,752万5千円まで、約52%減少した。
Chroma、Chroma Cloudの終了を発表 11月22日書き込み停止・12月22日サービス終了
ベクトルデータベースサービスを提供する米Chromaは2026年10月23日、クラウドサービス「Chroma Cloud」の終了を公式サイトで発表した。発表から30日後の2026年11月22日に書き込みを停止して読み取り専用に移行し、60日後の2026年12月22日に読み取りリクエストへの応答も停止する。対象はクラウドサービスのみで、オープンソース版ChromaDB(Apache 2.0ライセンス)は終了の対象外として提供が続く。
米SiFi Networks、Chapter11を申請 無担保債権の回収率41.2%を見込む清算計画が発効
オープンアクセス型光ファイバー網の整備事業者SiFi Networks America, LLCが、2026年6月5日に米デラウェア地区連邦破産裁判所へChapter11(連邦破産法第11章、日本の民事再生に相当する再建型手続)を申請した。担保付レンダーArcLink Fiber LLCへの資産売却が2026年8月7日に完了し、清算型の更生計画が同年9月30日に発効した。負債は1,000万〜5,000万ドル、資産は100万〜1,000万ドル。仲裁裁定約1,750万ドルについて連帯責任を負っていた。ArcLinkからの新規資金は最大343万ドル、資産売却の現金部分は20万ドル。一般無担保債権者の回収率は41.2%と見込まれている(確定額は請求と資産の最終的な実現次第)。
Outback最大のフランチャイジーOut West、Chapter11を申請 Bloomin' Brandsが61店舗を2,630万ドルで買収提案
Outback Steakhouseの米国最大のフランチャイジーであるOut West Restaurant Group(旧Cerca Trova Restaurant Group Holdings、H.I.G. Capital傘下)が、2026年11月2日にデラウェア州連邦破産裁判所へChapter11を申請した。本部のBloomin' Brandsは申請前日の11月1日、Out Westの資産をほぼ全て買い取る資産購入契約(APA)を締結し、最大550万ドルの無利息DIP融資(debtor in possession=破産申請後も事業を継続する債務者への融資)を提供することに合意した。資産は5万ドル未満、負債は1億〜5億ドル。運営店舗はカリフォルニア・アリゾナ・ネバダ・コロラド・ニューメキシコの61店舗。買収価格は2,630万ドル(DIPファシリティの借入額を差し引き、会社が引き受けるベンダー債務が610万ドル未満の場合は不足額を加算)。DIP融資の上限は550万ドル。APAの期限(Outside Date)は2027年1月31日。
花キューピット、不正アクセスで会員情報最大423万8,242件の漏えいの可能性
花キューピットは2026年10月28日、「インターネット花キューピット」「ビジネス花キューピット」の会員情報が不正アクセスで漏えいしたと公表した。不正アクセスの発生は10月14日から15日、漏えいの確認は10月19日。10月30日に発表内容の一部を訂正した。対象となる可能性のある会員は4,238,242件。漏えいした情報はユーザーID、ハッシュ値化されたパスワード、PC用・携帯用メールアドレス。氏名・住所・電話番号・クレジットカード番号・生年月日・お届け先情報は対象外。
② 当時、それはどう見えていたか
AIメカテック
開示文には、NLTから「量産技術開発の現状では需要に応じたタイムリーな事業化の目途が立たない」との申し出があった旨が記載されている。AIメカテックは、技術開発の進捗や顧客ニーズの広がりを踏まえ機動的・効率的な事業推進体制を検討した結果、解散・清算が合理的と判断したとしている。解散後もオプトランとの資本業務提携は継続する。
Chroma
公式発表ページに終了の理由についての記載はない。案内されているのは、書き込み中のワークロードの停止・移行、保持が必要なデータのエクスポート、Chroma Cloudの認証情報の削除・ローテーションなど移行手順のみ。当時の材料は確認できませんでした。
SiFi Networks
申請時の初日宣誓供述書(Dkt. 11)に、親会社による資金拠出が停止したことと、約1,750万ドルの仲裁裁定への連帯責任が記載されている。親会社の名称や資金拠出停止に至った経緯は出典に記載がなく、当時の材料は確認できませんでした。
Out West
2023年12月31日付でBloomin' Brands、Out West、貸し手の間に、過去の支払いデフォルトに関する権利の繰延びと猶予を定める契約(Amended and Restated Holistic Resolution Agreement)が締結されていた。この契約はChapter11申請により自動停止の対象となり、申請で生じるはずの契約終了・優先返済の条項は効力を生じなかった。Bloomin' BrandsはForm 8-Kで、Chapter11手続の結果についての確実性を保証できないとしている。
花キューピット
不正アクセスの手口・侵入経路は、外部専門機関による調査が進行中として公表されていない。当時の材料は確認できませんでした。
③ 構造として残るもの
花キューピットの公表は、対象となる可能性のある会員の件数と漏えいした情報の種類を示した上で、侵入経路は外部専門機関による調査が進行中として示していない。不正アクセスの公表では、影響範囲(件数・情報種別)が先に出て、原因(侵入経路・手口)の確定は後になる形が共通する。取引先や加盟する業界プラットフォームから不正アクセスの通知を受け取る会社は、原因の確定を待たずに、通知された影響範囲だけを材料に、自社の顧客への説明やパスワードの変更要否を判断する場面に立つ。