2026-09-11/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 発表されたもの
日向市(宮崎県・人口5.5万人)、生成AI活用でふるさと納税業務を240時間から4時間に短縮
Holg(メディア)が、日向市行政改革・デジタル推進課の職員に取材した記事による。自治体自身の報道発表ではない。同市は令和8年7月22日開催の「日本DX大賞」庁内DX部門で奨励賞を受賞した。生成AIのアカウントを付与された職員は680人。令和7年度は研修を39回開催し、514人が参加した。ふるさと納税担当の年間240時間かかる作業を、Excelマクロの活用などで4時間に短縮した事例があるという。令和7年には40自治体が視察に訪れた。
規模:人口55,335人(2026年8月1日推計)。正職員約600人、会計年度任用職員等を含めると約900人。
出典:https://www.holg.jp/holg/hyugacity/
藤枝市(静岡県・人口13.3万人)、ソフトバンクが窓口のAIナレッジ検索を実証
発表元はソフトバンク(受託事業者側)。同社は、藤枝市の市民課・地域包括ケア推進課・福祉政策課の3部署を対象に、国産生成AI「Sarashina」とサービス「dailyAI」を組み合わせたナレッジ検索システムを実証していると発表した。実証は2026年6月開始、プレスリリースは2026年7月1日付、ソフトバンクニュースへの掲載は2026年9月10日。総務省「公共分野における信頼できるAIを用いた開発実証事業」に採択された取り組みで、野村総合研究所が統括事業者、グラビス・アーキテクツと連携する。
規模:人口133,431人(2026年8月1日推計)。職員数は記事に記載なし。
出典:https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20260910_01
草加市(埼玉県・人口25.2万人)、FIXERが個人情報入力可能な生成AIを提供開始
coki(メディア)の報道による。FIXERは、クラウドへデータを送らず自社保有環境(オンプレミス)で処理できる生成AIサービス「Sovereign GaiXer(ソブリンガイザー)」の提供を2026年8月から草加市向けに始めたと発表した。自治体がこのサービスを採用するのは初めてで、個人情報を入力できる点が特徴という。「自治体で初」「情報漏洩リスクが極めて小さい」はFIXER側の説明であり、成果の数字はベンダーの言い分である。
規模:人口251,762人(2026年8月1日推計)。職員数は記事に記載なし。
数字:提供開始は2026年8月(具体的な日付の記載なし)。生成回数や利用量による追加課金はない、とFIXERは説明。料金額の記載はなし。
出典:https://coki.jp/article/news/92386/
国東市(大分県)、サテライトオフィス補助金の受付を開始、上限550万円
国東市自身の発表。市外に本社を持つ法人が市内にサテライトオフィスを新設する際の経費を補助する制度について、申請受付を令和8年9月1日から令和9年1月29日まで行うと公式サイトで発表した。建物整備費・備品購入費は補助率1/2、上限550万円(開設年度に1回)。旅費(航空運賃)は補助率1/2、上限年10万円(開設翌年度から3年間、各年1回)。事業は原則令和9年3月末までに完了、開設後は5年以上の運用が条件。予算の上限に達した場合、期間内でも受付を終えるとしている。
規模:国東市の人口・職員数は、このページからは分からない。
出典:https://subsidy.fromation.co.jp/archives/49971(国東市公式サイトの募集要領を基にした記事)
下松市(山口県)とコープやまぐち、8年ぶりの企業立地協定
下松市自身の発表(中国新聞デジタルの報道)。下松市は、コープやまぐち(本部・山口市)が同市に建設する配送拠点「下松センター」について、2026年8月31日に企業立地協定を締結したと発表した。下松市が市外の事業者と新規の進出協定を結ぶのは8年ぶりだと、記事は伝えている。下松センターは敷地面積約4,700平方メートル、建物は鉄骨平屋の事務所兼倉庫で延床1,163平方メートル。太陽光パネルとノンフロン冷蔵庫を導入する。老朽化した周南市の周南東センターの移転新築にあたる。投資額と雇用人数は記事に記載がない。
規模:下松市の人口・職員数は、記事からは分からない。
出典:https://chugoku-np.co.jp/articles/-/887681
鹿児島精機、霧島市(鹿児島県)と立地協定を締結、半導体・宇宙分野向けに増設
鹿児島精機株式会社自身の発表(自治体ではなく企業側)。同社は霧島市と2026年8月26日に立地協定を締結したと自社サイトで発表した。本社工場における生産設備の増設と、本社工場の建物改修に伴う協定であり、半導体製造装置関連部品の量産体制強化と、宇宙関連部品など新たな分野への事業展開に対応するとしている。投資額と雇用予定人数は発表に記載がなく、「新たな雇用の創出や人材育成に取り組む」とのみ書かれている。
規模:霧島市の人口・職員数は、このページからは分からない。
出典:https://kagosima.co.jp/list/news/1097
厚真町(北海道)、二地域居住のまちづくり会社「つぎて」を設立
発表元はさとゆめ(厚真町ではなく、共同出資する企業側)。厚真町は、地域創生事業を手がけるさとゆめ、クーバル、のやすべの3社と共同出資し、二地域居住を推進するまちづくり会社「つぎて」を設立した。発表は2026年8月26日。町内に住むかどうかを問わず、労働・消費・投資で町に貢献する人を「活躍人口」と位置づけ、その創出を支援する目的としている。自治体と民間の共同出資でこの種の会社を作るのは道内で初、とさとゆめは説明している。新会社の主な事業は、マルチハビテーション住宅(複数の生活拠点を持つための住宅)の管理運営、二地域居住者と町民・地域事業者のマッチング支援、空き家活用の事業化。出資額・施設数・具体的な金額の記載はない。
規模:発表に厚真町の人口・職員数の記載はない。
出典:https://travelvoice.jp/20260826-160397
豊中市(大阪府)、単身高齢者向け家賃補助を月上限2万円で新設
豊中市自身のプレスリリース(発表日2026年9月4日)。単身高齢世帯の住み替えを支援するため、「居住サポート住宅」への家賃補助事業を2026年10月1日に始めると発表した。対象は65歳以上の単身者で、月収15万8千円以下、大家(認定事業者)から安否確認・見守り・福祉へのつなぎの3つのサポートを受ける入居者。関西初の取り組みとしている。補助額は月額上限2万円/戸、補助期間は最長25年、対象住宅は月額家賃6万5千円以下の認定居住サポート住宅、初年度の予定件数は20件。申込方法・締切の記載はない。
規模:発表に人口・担当課の記載はない。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001046.000078420.html
北九州市の移住キャンペーン、新幹線通勤者へのポイント付与対象を拡大
発表元はJR西日本・北九州移住促進協議会(北九州市自身の発表ではない)。JR西日本と北九州移住促進協議会は、住宅購入と新幹線通勤を組み合わせた移住支援キャンペーン「暮らしを、一つ先へ」をリニューアルすると発表した。発表日は2026年9月8日。従来は北九州市の移住推進事業(若者・子育て持ち家応援メニュー)の補助対象世帯に限っていたが、協議会独自の要件を満たす世帯にも対象を広げた。新要件は、若者夫婦か子育てをする親がいる世帯/移住世帯もしくは転入後の同居世帯/協議会参画事業者が販売する北九州市内の住宅を購入/小倉~博多間の新幹線通勤定期券利用者がいる世帯、の4点。新幹線通勤者1人目には月1万WESTERポイント(JR西日本の会員ポイント)を最長3年間、2人目には月2,500〜1万ポイントを最長3年間付与する。申込締切の記載はない。
規模:発表に北九州市の人口・職員数の記載はない。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002271.000095753.html
十島村(鹿児島県)、移住体験ツアーを10月に実施
十島村役場主催、一般社団法人宝島が企画実施のプレスリリース(発表日2026年9月10日)。移住検討者向けの「トカラ列島移住体験ツアー」を発表した。日程は2026年10月30日〜11月2日(3泊4日)、定員10名程度、募集締切は2026年9月23日23時59分。参加費は大人20,000円、小学生以下10,000円(船運賃・宿泊費込み)。「かごしま暮らし移住コンシェルジュ」利用時は1.5万〜3万円の支援ありと案内されている。
規模:原典に人口・職員数の記載はない。村はフェリー週2便のみ、コンビニ・スーパーなしと紹介されている。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000117878.html
② 会社にどう当たるか
大分県国東市はサテライトオフィス開設の補助金(上限550万円、開設後5年以上の運用が条件)の受付を始め、山口県下松市・鹿児島県霧島市でも企業の立地協定が発表された。市外に拠点を置く際の条件(補助率・上限額・運用年数の縛り)は自治体ごとに違う。国東市の条件が他の自治体と比べて有利かどうかは、この発表だけからは分からない。これは見立てだが、拠点候補を検討する際に並べて比べる材料にはなる。
北九州移住促進協議会は、新幹線通勤者への月最大1万ポイント付与の対象を、住宅購入とセットの世帯にまで広げた。小倉~博多間の定期券を持つ人が対象になる。遠方に住む人材を新幹線通勤圏として採用できるかどうかの目安になりうる、という見立てだが、住宅購入が条件に含まれているため、通勤補助だけを目的に使える制度かどうかは、この発表からは分からない。