2026-09-17/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 発表されたもの
チェンジホールディングス、那須塩原市・三宅町でAIエージェント実証を開始
株式会社チェンジホールディングスが2026年9月16日、栃木県那須塩原市(市長・渡辺美知太郎氏)と奈良県三宅町(町長・森田浩司氏)の2自治体を対象に、自治体業務におけるAIエージェント活用に向けた実証を開始すると発表した。同社のプレスリリースが出典で、自治体自身の発表ではない。
規模について、発表文は「人口規模・産業構造・地理的条件が異なる2自治体」と書くのみで、具体的な人口・職員数の記載はない。
実証では「調べる・照合する・まとめる・下書きする」の工程をAIエージェントが担当し、可否の判断・決裁・住民への通知は職員が担うという設計になっている。実証の期間・金額は発表文に記載がない。
発表文中では、同社の言い分として2つの数字が引用されている。総務省調査でAI・RPA導入率が都道府県・指定都市で100%なのに対し、その他の市区町村では58%にとどまるという数字。もう一つは日本総合研究所の試算として、2045年の職員充足率が全国平均で約8割、小規模な町村では約6〜7割まで低下するという予測。いずれも同社発表内での引用であり、一次の調査・試算そのものではない。
② 会社にどう当たるか
以下は見立てであり、断定ではない。
- 取引の相手と手続き:自治体側でAIエージェントを使った業務設計(判断・決裁は職員、下書きまではAI)が実例として動き出した。地域で自治体向けにシステムを納めている会社があれば、今後の調達仕様や委託範囲の切り分け方に影響する可能性がある。ただし今回の発表からは、他の自治体への展開や委託先選定の基準までは分からない。
- 取引の相手と手続き:対象が那須塩原市・三宅町という規模の小さい2自治体である点は、発表文が引用する「その他の市区町村のAI・RPA導入率58%」という数字と重なる。小規模自治体向けのAI導入案件が今後増えるかどうかは、この発表だけでは分からない。
- 会社の構造との相似:発表文が引用する「小規模な町村では2045年の職員充足率が約6〜7割まで低下する」という試算は、複数の課を兼務する職員がさらに増えることを示唆している。担当の決まっていない仕事を誰かが拾う、という構造は読者の会社と同じ形であり、今回の実証はその構造への対応の一例と見ることはできる。
- 留保:この発表は納入ベンダーであるチェンジホールディングス1社によるものであり、実証の効果・成果、他自治体への展開の有無は、現時点の発表からは分からない。