2026-10-08/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 発表されたもの
糸魚川市(新潟)、地方創生ベンチャー連合と包括連携協定・参画企業約80社
新潟県糸魚川市と一般社団法人「熱意ある地方創生ベンチャー連合」の協定締結を、日本経済新聞が報じたもの。自治体自身の報道発表ではない。
糸魚川市が、スタートアップ約80社が参画する同連合(東京・文京)と、地域課題解決に向けた官民連携促進のための包括連携協定を締結した。協定締結は2026年9月29日。協定に先立ち2026年6月、連合の会員企業向けスタディーツアーを市内で実施している。
規模:糸魚川市の人口・職員数は、この報道には記載がない。
数字:参画スタートアップ企業は約80社。小規模自治体による同連合との協定は全国で5例目(愛媛県砥部町、奈良県三宅町などに続く)。
出典:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC0619B0W6A001C2000000/
三重県、移住促進計画を2027年3月に策定・都道府県で初
三重県(地域連携・交通部)が、三重県議会総務地域連携交通常任委員会に報告したもの。
三重県議会の総務地域連携交通常任委員会が2026年10月6日、県の地域連携・交通部から「移住促進計画(仮称)」を2027年3月に策定すると報告を受けた。県内への移住を促す施策の方向性をまとめるもので、12月の同委員会に中間案を示し、市町への意見照会を経て3月に最終案を示す予定。論点はプロモーションの強化・受け入れ環境の整備・効果検証の3つで、移住元の地域別に呼びかけ対象を明確にすること、移住関連イベントでの就職先紹介、空き家活用などが想定されている。策定は一見勝之知事が2025年7月、民間事業者との移住促進協定の式典で表明していた。
規模:三重県(人口約175万人)。
数字:策定時期は2027年3月(中間案は2026年12月)。対象期間は来年度から5年間。予算額・移住者の目標人数は、この報告の時点では示されていない。
稚内市-利尻島間、ドローンで医療機器配送を実証・船の100分を35分に短縮
自治体の発表ではない。札幌市の医療機器専門商社(営業本部長)の発表による。
札幌市の医療機器専門商社が、北海道・稚内市から利尻島まで、人工呼吸器やAEDなどの医療機器をドローンで運ぶ実証実験を実施した。
規模:稚内市・利尻島の人口・職員数は記事に記載がない。
数字:距離は約50km。船では100分(1時間40分)かかる区間を、ドローンでは約35分で到着した。使用したのは垂直離着陸が可能な固定翼ドローンで、標準速度は時速90km。同社は実用化に向け実証を続ける考えを示した。
② 会社にどう当たるか
以下は見立てであり、断定ではない。
- 取引の相手と手続き:デジタル庁が災害時に生成AI「源内」を自治体へ期間限定で開放した枠組みは、平時は契約しないAIツールを繁忙期や緊急時だけ使うという発想を示している。中小企業にとっても、自社のBCP(事業継続計画=災害時などに事業を止めない備え)を考える材料になるかもしれないが、対象となった個別自治体や延長を受けた自治体名はこの発表からは分からない。
- 人を採る場所の条件:三重県が移住促進計画に空き家活用や移住後の就職先紹介まで盛り込むなら、採用の候補者が移住先として同県を選ぶ理由が増える可能性がある。ただし予算や目標人数は未定の段階であり、効果は中間案が示される2026年12月以降でなければ読めない。
- 拠点を置く場所の条件:稚内市-利尻島間でドローンによる医療機器配送が実用化すれば、同じように輸送手段が限られる離島・過疎地に拠点や取引先を持つ会社にとって、物流の制約が緩和される可能性がある。ただし今回は実証実験の段階で、費用や継続運用の仕組みはこの発表からは分からない。
- 取引の相手と手続き:糸魚川市のように企業連合への加盟を通じて官民連携を進める自治体が増えれば、中小企業の側にも、同様の連合に加盟して自治体との接点をつくる道が開ける可能性がある。ただしこの協定自体は連携促進の枠組みであり、個別の投資額や具体的な案件はこの発表には含まれていない。