2026-10-14/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 発表されたもの
金沢市(石川・人口45万2,602人)、公式サイト検索をAI検索・生成AI「Cogmo Enterprise」に切り替え
石川県金沢市は、公式Webサイトの検索機能を、アイアクト(東京都港区)のAI検索・RAG型生成AIサービス「Cogmo Enterprise 生成AI」に2026年10月1日付で切り替えた。従来運用していたAIチャットボットからの移行で、出典はアイアクトのプレスリリース。金沢市自身の発表は確認できていない。
対象は公式サイトの約1万6,000ページ(行政手続き・福祉制度・観光情報など)。自然文での検索に対応し、ノーコードで精度調整できる点が旧チャットボットとの違いだとベンダーは説明している。料金・契約条件は発表に記載がない。金沢市は中核市で、人口は452,602人(2026年8月1日推計)。市役所職員数は発表に記載がない。
旧チャットボットは「シナリオ登録の継続的なメンテナンスが必要で担当職員の負担が大きい」とベンダーは説明している。
門真市(大阪・人口11万0,936人)、職員採用試験にAI面接「HireVue」導入
大阪府門真市は、職員採用試験の選考初期段階に、タレンタ(東京都渋谷区)のAI面接サービス「HireVue」を導入した。出典はタレンタの2026年8月12日付プレスリリース。門真市自身の発表は確認できていない。
対象となる試験の種別・募集人数・予算は発表に記載がない。人口は110,936人(2026年9月1日推計)。市役所職員数は発表に記載がない。
面接官の無意識の偏りを減らし、空いた時間を対面面接の強化や入庁後の育成に回すことがねらいだとベンダーは説明している。
品川区(東京・人口42万9,373人)、DX職公募の面接に対話型AI「エンPeopleX AI面接」導入
東京都品川区は、「情報推進担当(自治体業務の最適化)」の職員公募(一般職任期付職員・係長級)の選考に、エン株式会社と株式会社PeopleXの共同事業体エンPeopleXの対話型AI面接サービスを2026年7月6日から導入した。出典はエンPeopleXの2026年8月20日付プレスリリース。品川区自身の発表は確認できていない。
面接はAIが進行するが、合否はAIが自動で決めず、採用担当者が録画を確認して判断するとベンダーは説明している。募集人数は発表に記載がない。対象は社会人経験10年以上、学歴・ブランク不問。人口は429,373人(2026年9月1日推計)。デジタル推進課は26名、うち約10名が民間出身者。
背景には、国の標準準拠システムへの移行期限(2026年3月31日)後の運用・コスト最適化やガバメントクラウド活用という課題があるとされる。
② 会社にどう当たるか
以下は見立てであり、断定ではない。
- 取引の相手と手続き:金沢市の事例は、自治体の公式サイト検索をベンダーのAI検索サービスに切り替えた形だが、ノーコードで精度調整できる点が選定の軸として挙げられている。社内の問い合わせ対応やサイト検索を見直す会社にとって、同種のサービスを比べる際の着眼点になりうる——という見立て。この発表からは、料金や他自治体への展開状況は分からない。
- 人を採る場所の条件:門真市の事例は、採用選考の初期段階だけをAI面接に委ねている。採用の人手が足りない役場や会社が、選考のどの段階をAIに任せるかを切り分けるやり方として、中小企業の採用プロセスにも当てはまる可能性がある——という見立て。対象となる試験の規模が分からないため、どの程度の負担軽減になるかはこの発表からは分からない。
- 取引の相手と手続き:品川区の事例は、AIが面接を進行し、合否判断は人が行うという役割分担になっている。AI面接サービスを導入する際に、どこまでをAIに委ね、どこから人が判断するかをあらかじめ切り分けておく一つの型として読める——という見立て。品川区がこの切り分けを採用した理由(公平性・効率のどちらを重視したか)は、この発表からは分からない。