2026-10-16/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 発表されたもの
奄美市、AI活用マーケティング講座の委託先をmonoDuki合同会社に決定
鹿児島県奄美市(人口38,954人、世帯数23,118世帯、2026年9月末時点・住民基本台帳)は、生成AIを使ったマーケティングを学ぶ講座の運営を委託する公募型プロポーザルを実施し、2026年10月1日までに契約候補者をmonoDuki合同会社に決定したと発表した。出典は奄美市商工政策課の発表である。応募受付期間は2026年8月24日から9月16日17時必着で、応募は1事業者のみだった。
委託料は上限150万円(消費税・地方消費税込、予定価格ではない)。契約期間は契約締結日から2027年3月15日まで。講座は5回以上の構成で、受講定員は20名を想定しているという。
多良間島、タクシーのない島で自動運転カートが1年で1万1000km走行——ベンダー発表
車載器専門商社の東海クラリオン(名古屋市)は、沖縄県多良間島で2025年8月から住民主体で運行してきた自動運転カートの実証結果を2026年10月14日に提言として公表した(事業構想オンラインが10月15日に報道)。この発表は自治体のものではなく、技術を提供した東海クラリオン(ベンダー)自身の発表である。
多良間島にはタクシーがなく、運行を担う住民ドライバーは5人(40代から70代以上)。自動運転カート2台を運行し、実証開始から1年間(2026年8月時点)で走行距離は1万1000kmを超えたという。使用技術は後付け型の自動運転システム「YADOCAR-i(ヤドカリ)ドライブ」、位置測位には準天頂衛星システム「みちびき」(日本の衛星測位システム)を使用している。多良間島の人口は原典に記載がなく、不明。走行距離などの数字は東海クラリオン側の発表によるもので、自治体が検証した数字ではない。
大阪府、SNS上の意見をAIで分析する「ブロードリスニング」実証実験を公開
大阪府(スマートシティ戦略部戦略企画課)は、SNSやレビューサイト、ブログに投稿された府民の意見をAIで収集・分析する「ブロードリスニング」の実証実験ページを公開している。出典は大阪府の公式ページ(ページ更新日2026年10月9日)で、自治体自身の発表である。
実装している機能は、意見の肯定・否定を自動判別する感情分析、急増したテーマやキーワードを特定するトレンド検出、要約の自動生成、ワードクラウドなどによる結果の可視化の4つ。現在意見を募集中のテーマは3件(特定健診・がん検診の受診動向、ビヨンドSDGsに向けた声、夏の暑さの困りごと)。使用しているAI製品名・提供事業者、収集件数・分析件数・実証期間の記載はなく、原典からは分からない。大阪府の職員数・体制についての記載もない。
② 会社にどう当たるか
以下は見立てであり、断定ではない。
- 取引の相手と手続き:奄美市内の事業者が生成AIを使ったマーケティングを学ぶことで、奄美市周辺の事業者との取引で生成AI活用が前提になっていく可能性がある。ただし委託料上限150万円・受講定員20名程度という規模で、市内事業者全体に行き渡る取り組みかどうかは、この発表からは分からない。
- 人を採る場所の条件:読者の会社が奄美市周辺で人を採ろうとする場合、この講座を通じて生成AIを使ったマーケティングを学んだ人材に出会う可能性があるかもしれない。講座がいつ開講するか、受講者がどの程度地域に残るかは、この発表からは分からない。
- 多良間島で住民5人が自動運転カートの運行を担う形は、「担当が決まっていない仕事を誰かが拾う」人手不足の会社と同じ構造に見える。配送・移動手段を自前で維持できない会社が、委託先や代替手段を検討する際の一つの型として読めるかもしれないが、断定はできない。走行距離などの数字は東海クラリオン(ベンダー)側の発表であることに留意が必要で、自治体による検証ではない。
- 取引の相手と手続き:自治体向けにシステムを提案・納入する会社であれば、SNS上の意見をAIで分析するような機能が、今後の自治体案件で要件に加わってくる可能性がある。ただし使用AI製品名や処理件数、効果の大きさは、この発表からは分からない。