2026-10-18/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 発表されたもの
全国の自治体によるAI関連調達公告152件、件名に「生成AI」明記は54件——民間企業の集計
民間企業エーアイピックスが運営する情報サービス「AI PICKS」は、中小企業庁の官公需情報ポータルサイトで公開されている入札・公告情報を独自に集計したと発表した。2026年2月1日から10月17日までにAI関連と判定された調達公告478件のうち、発注機関別では自治体が152件(全体の32%)、中央省庁・国の機関が151件(32%)だった。件名に「生成AI」と明記されたものは54件(11%)、職員向けのAI研修・人材育成は26件(5%)、導入・システム調達は227件(47%)。都道府県別の件数では東京都が202件で最も多く、茨城県30件、北海道24件、埼玉県17件、広島県17件、山形県16件、大阪府16件と続く。東京都が多いのは中央省庁の所在地によるとAI PICKSは説明している。この集計はAI PICKS編集部が公告の件名から独自に分類したもので、政府の公式統計ではない。個別の自治体の規模(人口・職員数)は、この集計からは分からない。
大阪府労働相談センター、AI自動翻訳で対応言語を11言語に拡大
大阪府労働環境課が運営する大阪府労働相談センターは2026年10月1日、ホームページの多言語対応数を増やしたと発表した。大阪府自身の発表。AI自動翻訳を導入し、英語・中国語・ベトナム語・インドネシア語・ネパール語・韓国朝鮮語・ポルトガル語・スペイン語・タイ語・フィリピン語・ミャンマー語の11言語に対応したとしている。変更前の対応言語数や、導入したAI翻訳サービスの名称は発表文に記載がなく分からない。同センターの相談件数・職員数も記載がなく不明。
下松市(山口・人口56,058人)、物流会社・美西と企業立地協定に調印
山口県(企業立地推進課)と下松市(人口56,058人・世帯27,221世帯、2026年9月末時点)は、物流会社の株式会社美西との企業立地に関する協定調印式を2026年10月13日、下松市役所で実施した。山口県は10月6日付、下松市も10月15日付でそれぞれ「株式会社美西と企業立地に関する協定を締結しました」と発表した。自治体自身の発表。出席者は美西・市川貴章代表取締役、下松市・國井益雄市長、立会人として山口県産業労働部・藤村和也企業立地統括監。立地場所は下松市東海岸通り1番62で、業種は平屋骨組膜構造倉庫による物流拠点の新設。投資額・雇用人数・操業予定時期は、山口県・下松市の発表文には記載がなく、この発表からは分かりません。
石狩市(人口56,490人)・札幌市、道外AI・半導体企業向け立地視察ツアーを11月4〜6日に実施
札幌市・石狩市(人口56,490人・世帯28,907世帯、2026年9月末時点)は、道外のAI・半導体・データセンター関連企業を対象にした企業立地視察ツアーを2026年11月4日から6日に実施する。この事実は自治体自身の発表ではなく、ツアー参加企業・両市職員向けに経営者交流会「EZOEDO」第9回(11月4日17時30分から札幌市中央区で開催)を主催する株式会社UTARIII(札幌市、代表取締役CEO・安達さやか)のプレスリリースに記載された内容で、両市がツアーを主催している旨の記述も同リリースによる。交流会は定員50名・参加費8,000円。ツアーの参加企業数、投資額、進出を検討する業種の具体名は、このリリースからは分かりません。
② 会社にどう当たるか
以下は見立てであり、断定ではない。
- 拠点を置く場所の条件:下松市・山口県の立地協定、石狩市・札幌市の立地視察ツアーは、いずれも自治体が企業の進出検討に関わる形を取っている。下松市の協定は投資額・雇用人数が公表されておらず、支援の実体はこの発表だけでは分からない。石狩市・札幌市のツアーも参加企業数や投資額は分からず、経営者同士が直接会う段階にあるとみられる。拠点を新たに置く会社にとっては、都道府県・市町村・民間イベントのどの段階で自治体と接点を持てるかの違いとして読めるかもしれない。
- 取引の相手と手続き:全国の自治体によるAI関連調達公告のうち、件名に「生成AI」と明記されているのは全体の11%にとどまるという集計がある。自治体のAI関連案件を受注しようとする会社にとっては、公告の件名に「AI」という語が無くても、中身がAI関連の案件である場合があり得るという読み方ができるかもしれない。ただしこの集計は民間企業による独自分類で、政府の公式統計ではないため、断定はできない。
- 人を採る場所の条件:大阪府労働相談センターがAI自動翻訳で対応言語を11言語に増やしたことは、外国人材を雇う会社にとって、雇った人材がどの言語で労働相談の窓口を使えるかの目安になるかもしれない。ただし相談内容をどこまで正確に伝えられるかは、今回の発表からは分からない。