2026-11-06/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 発表されたもの
舞鶴市(京都)、Gemini全庁導入とkintone内製で「KANSAI DX AWARD 2026」金賞
舞鶴市(京都)が、関西デジタル・マンス実行委員会(事務局・公益社団法人関西経済連合会)主催「KANSAI DX AWARD 2026」の自治体部門で金賞を受賞したと、市自身が2026年11月5日にプレスリリースで発表した。表彰式は2026年10月29日、大阪市都島区のQUINTBRIDGEで開催された「関西DXサミット」。
受賞理由は、全職員へのGoogle Workspace・Chromebook配備によるフルクラウド移行、生成AI「Gemini」の全庁導入、ナレッジ共有ツール「geminiNotebook」、ノーコードツール(プログラミングなしで業務アプリを作れるツール)「kintone」を組み合わせた定型業務の効率化。市の発表によると、職員1人あたり1日82分・年間328時間の業務時間を創出したとする。ITコストは5年間の予算ベースで約6億円削減。消防本部の現場職員が内製したアプリにより年間約550時間の事務作業を削減。行政視察の受け入れは年間20件超。
いずれも<strong>市の自己申告の数字</strong>で、第三者による検証結果は発表に記載がない。舞鶴市の人口・職員数は発表資料に記載がなく、不明。
出典:舞鶴市プレスリリース(PR TIMES配信)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000284.000049369.html
都城市(宮崎)、自治体AI「zevo」の導入自治体が176に拡大
都城市(宮崎)がパートナー企業のシフトプラス社と共同開発した生成AIプラットフォーム「zevo」について、2026年10月時点で全国176自治体に導入されたと、同市デジタル統括課の佐藤泰格副課長がキーマンズネットの取材で明らかにした。市の正式な報道発表ではなく、報道機関の取材に基づく発言。
zevoは従量課金制の生成AIプラットフォームで、LGWAN環境(地方公共団体の専用ネットワーク)内で使えるとされる。都城市では全課で導入され、アカウントの月間アクティブ率は100%と市側は説明している。2026年7月からは時事通信社の官庁速報「iJAMP」と連携した「iJAMP RAG」の運用を始めた。
都城市の人口は記事に記載がなく、不明。記事中では、zevoの利用ログをサンプリング確認する対象として「職員1400人」という数字が出ている。176自治体という数字の根拠となる一次発表・集計方法、導入自治体の内訳(都道府県か市町村か)は記事からは分からない。
出典:キーマンズネット(取材記事)https://kn.itmedia.co.jp/kn/article/2611/05/2000002880
上越市(新潟・人口17万6033人)、IT企業誘致サイトをシビレ社と連携公開
シビレ株式会社(東京都中央区、代表取締役・鈴木翠)が、新潟県上越市と連携し、IT企業の進出や事業展開に向けた情報をまとめた「上越市企業誘致サイト」を公開したと2026年10月22日発表(新潟日報が報道)。公開したのは上越市自身ではなく、シビレ株式会社の発表。
サイトには進出企業4社(テラスカイ、クラスメソッド、ARCHIPELAGO、INSIGHT LAB)の声を掲載。支援策として、視察費用補助、オフィス改装・改築費補助、家賃に関する市の補助金、県のIT企業向けオフィス開設支援事業を紹介している。補助の上限額・対象条件・締切は記事からは分かりません。
上越市の人口は17万6033人(2026年11月1日現在、上越市公式サイト)。職員数は不明。
出典:新潟日報 https://niigata-nippo.co.jp/articles/-/928934
② 会社にどう当たるか
以下は見立てであり、断定ではありません。
- 拠点を置く場所の条件として:上越市の企業誘致サイトは、進出済み企業の声や物件情報、相談窓口(人材採用の調整なども含む)がまとまっており、拠点移転やサテライトオフィス開設を検討する際の比較材料になり得ると見られる。ただし視察費用補助・オフィス改装費補助・家賃補助それぞれの上限額や申請条件、締切は記事に出ておらず、利用を検討するなら個別に確認が必要と見られる。
- 取引の相手と手続きとして:都城市の「zevo」が176自治体に広がっているという数字は、1自治体で開発されたシステムがベンダーとの共同開発を経て他の自治体へ標準として広がる動きを示している可能性がある。自治体向けにシステムやツールを提供する企業にとっては、近隣・同種の自治体がどのツールを採用しているかが、今後の商談で参考材料になり得ると見られる。ただし176自治体の規模の内訳や、どの地域に集中しているかは記事からは分かりません。
- 取引の相手と手続きとして:舞鶴市の事例は、ベンダーに個別発注せず、Gemini・kintoneという汎用ツールの組み合わせを職員自身が使いこなして業務改善を内製した例と見られる。専任のIT担当を置けない中小企業にとっても、同じ組み合わせで自社の定型業務を見直す際の参考になり得ると見られる。ただし削減時間・コスト削減額は市の自己申告の数字であり、第三者検証の記載はない点には注意が必要と見られる。