秋編 第14章:信頼される、ということ
旅館の女将さんから紹介された新規案件。
僕はメインで担当することになった。
「桜井くん、大丈夫?忙しくなるけど」
白石さんが心配そうに聞いた。
「大丈夫です。やります」
僕は自信を持って答えた。自分の声が入社
初日のものより少し低く落ち着いて聞こえた
気がした。
半年前の自分なら不安だったかもしれない。
でも、今は違う。
世界観を考えること。累積戦略で地道に積
み重ねること。三方良しPlusでお客さん
と長期的な関係を築くこと。すべて実践でき
るようになってきた。
そして、BANTO3という基盤があるか
ら短期間でも品質の高いシステムを提供でき
る。
予約システムも、会員管理も、決済処理も
すでに土台がある。
あとはクライアントの世界観に合わせてカ
スタマイズするだけ。
三週間という納期も無理なくこなせる——
はずだった。
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ただ、その新規クライアントは、女将さん
とは少し違った。
「女将さんがあんなに褒めるんだから」
初顔合わせから期待がすごかった。一つ説
明するたびに「さすが」「女将さんの言った
通りだ」と持ち上げられる。
最初は気分が良かった。
でも、途中でふと怖くなった。