2026-09-08/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 公表されたもの
実質賃金指数は前年同月比2.2%増、毎月勤労統計6月確報
厚生労働省は2026年8月24日、「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年6月分結果確報」(事業所規模5人以上)を公表した。対象は2026年6月分。現金給与総額(規模5人以上、名目、一人平均)は534,823円で前年同月比4.0%増。実質賃金指数(名目の現金給与総額から物価変動の影響を除いた指数、2020年平均=100)は145.0で前年同月比2.2%増。文書は「( )内は前年同月比を示す」とした上で、「現金給与総額〔規模5人以上〕534,823円(4.0%増)」「実質賃金指数(持家の帰属家賃を除く総合の消費者物価指数で実質化)…145.0(2.2%増)」と記す。
Eurostat、6月のサービス業生産指数はユーロ圏で前月比0.3%低下
欧州連合統計局(Eurostat)は2026年9月7日、「サービス業生産はユーロ圏で0.3%減、EUで0.2%減」("Services production down by 0.3% in the euro area and by 0.2% in the EU")を公表した。対象は2026年6月分のサービス業生産指数(季節調整値)。前月比はユーロ圏マイナス0.3%、EUマイナス0.2%。前年同月比はユーロ圏・EUともにプラス1.5%。あわせて2026年5月分の数値も改定され、前月比はユーロ圏・EUともに0.8%増から0.7%増へ、前年同月比はユーロ圏2.4%増から2.3%増、EU2.4%増から2.2%増へ、それぞれ下方修正された。Eurostatは「サービス業生産はユーロ圏で0.3%、EUで0.2%減少した」と記し、改定については「2026年5月の前月比の伸びは、ユーロ圏とEUのいずれも+0.8%から+0.7%へ改定された」としている。
令和9年度一般会計概算要求、総額は約143.1兆円
財務省は2026年9月4日、片山財務大臣兼内閣府特命担当大臣の閣議後記者会見で、令和9年度(2027年度)一般会計の概算要求の総額を明らかにした。総額は約143.1兆円。大臣は、比較対象として令和7年度補正予算と令和8年度当初予算の合計額(約141兆円)を挙げ、その差は約2.5兆円の増加とした。大臣は冒頭発言で「令和9年度の一般会計概算要求額が約143.1兆円となりました」と述べ、記者から「過去最大となりました」と問われたのに対しては「令和9年度の要求額と比較すべきは令和7年度補正予算と令和8年度当初予算の合計額でございまして、これから見ると、これが約141兆円ございますので、その差が約2.5兆円の増加となっております」「大幅な増加とのご指摘は当たらないと考えております」と応じた。
BISが小規模銀行向け規制の考え方を公表
国際決済銀行(BIS)傘下の金融安定研究所(FSI)は2026年9月3日、小規模銀行向け規制のあり方をまとめた文書「FSI Insights No.78」("Simple, resilient and proportional: revisiting regulation for small banks")を公表した。この文書に統計上の数値は示されていない。内容の中心は、「小規模銀行」の該当範囲そのものを、規模・複雑性・リスクプロファイルなどの基準を各国当局が独自に精緻化して定めるべきだ、という制度設計の提言。適格性基準について、当局がバーゼル銀行監督委員会(BCBS)の規模・複雑性・リスクプロファイル基準を基礎として利用しながら、局所的に関連性のある指標を開発することを挙げ、プルーデンシャル要件(自己資本規制など)は「適用可能な適格性基準と整合させるべき」だとしている。
BISが新興アジアの「ゾンビ企業」を調査
BISは2026年9月3日、新興アジア地域の存続困難な企業(いわゆる「ゾンビ企業」)について分析した調査論文「BIS Working Paper No.1375」("Zombie firms in emerging Asia: domestic and cross border implications")を公表した。対象は10のアジア新興市場経済(EMEs)、対象期間は2005〜2021年。具体的な増加率や、成長・インフレ率を何ポイント押し下げたかという数値は本文の要旨に示されていない。文書は、ゾンビ企業の数は「過去15年間で著しく増加した」とし、その存在が「国内でも国境を越えても、インフレーションとGDP成長を低下させる」、特にグローバル・バリューチェーンを通じて「先進経済のインフレーションと成長を著しく減少させる」と結論づけている。
② 読み取れること
<strong>見立て。</strong>毎月勤労統計6月確報では、現金給与総額(名目)の伸び(前年同月比4.0%増)に対し、実質賃金指数の伸び(同2.2%増)はそれより小さい。この差は物価上昇によって目減りした分に相当する可能性があるが、単月の確報値であり、この先の動向を示すものではない。
<strong>見立て。</strong>令和9年度一般会計概算要求の総額(約143.1兆円)について、財務大臣は「過去最大」という評価軸に対し、比較対象を令和7年度補正予算と令和8年度当初予算の合計額(約141兆円)に置き換えて「大幅な増加ではない」と述べた。総額の規模をどの期間・どの予算と比べて評価するかで見え方が変わりうるが、どちらの比較が妥当かは、この公表物からは分かりません。