2026-09-10/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 公表されたもの
景気動向指数CI一致指数、7月は120.6で「改善」の基調判断を維持
内閣府経済社会総合研究所は2026年9月7日、「景気動向指数(令和8(2026)年7月分速報)」を公表した。対象は2026年7月分。生産・雇用等10指標を合成したCI一致指数(令和2(2020)年=100、速報値)は120.6で、前月比+1.7ポイント(2か月連続の上昇)。先行指数は117.9(前月比+1.7ポイント)、遅行指数は113.3(前月比+1.6ポイント)。一致指数の3か月後方移動平均は前月差+0.77ポイント、7か月後方移動平均は同+0.85ポイントとなった。基調判断は「景気動向指数(CI一致指数)は、改善を示している」「これを機械的な基準に当てはめた結果、今月の判断は、「改善」となった」と、前月から据え置かれた。上昇要因として「投資財出荷指数(除輸送機械)」や「商業販売額(小売業)(前年同月比)」等がプラスに寄与したと記載されている。CIは公表日の3営業日前(9月2日)までに公表された値を用いて算出したとの注記がある。
6月の出生数は59,846人で前年同月比2.7%増、死亡数は同1.1%減
厚生労働省は2026年8月28日、「人口動態統計速報(令和8(2026)年6月分)」を公表した。対象は出生・死亡・婚姻・離婚・死産の届出件数(調査票の作成枚数ベース)の速報値、2026年6月分。出生数は59,846人(前年同月58,301人、差引+1,545人、増減率+2.7%)。死亡数は114,472人(前年同月115,780人、差引△1,308人、増減率△1.1%)。自然増減数は△54,626人。婚姻件数は32,008組(前年同月比△1.3%)、離婚件数は14,521組(同△2.4%)、死産数は1,252胎(同△9.1%)。令和8年1〜6月の累計は出生342,068人(前年同期比+0.8%)、死亡778,982人(同△6.9%)。厚生労働省は「速報の数値は調査票の作成枚数であり、日本における日本人、日本における外国人、外国における日本人及び前年以前に発生した事象を含むものである」と注記し、表には「前年の数値も速報値である」とも付記している。
ユーロ圏の2026年4-6月期GDP、季節調整済み前期比0.6%増
欧州連合統計局(Eurostat)は2026年9月7日、「ユーロ圏のGDPは0.6%増、雇用は0.1%増」("GDP up by 0.6% and employment up by 0.1% in the euro area")と題する統計を公表した。対象は2026年4-6月期のユーロ圏・EUの実質GDP速報の推計値。ユーロ圏の実質GDP(季節調整済み)は前期比+0.6%、EUは同+0.7%。前年同期比ではユーロ圏+1.2%、EU+1.4%。雇用者数は前期比でユーロ圏・EUともに+0.1%。いずれも速報の推計値である。
FRBウォラー理事、9月FOMCは「利上げも選択肢」
米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は2026年9月3日、ワシントンD.C.でのReuters NEXT Newsmaker Interviewで講演し、9月15〜16日開催のFOMC会合に向けた条件付きの金融政策方針を述べた。FOMCは2026年7月28〜29日の会合でフェデラルファンド金利の誘導目標レンジを3.50〜3.75%に据え置いている。ウォラー理事は「今後2週間で出るデータでこれが続くのであれば、フェデラルファンド金利の目標を現行の水準に据え置くことを支持する方向に傾く」と述べる一方、「8月の入手データが、この改善は一時的なものだったと示すのであれば、9月15〜16日のFOMCで政策金利を引き上げることが適切かもしれない」とも述べた。この言い方について本人は「政策行動への確約ではない。条件付きの政策表明である」と説明している。
FRBバー理事、インフレ抑制の進展は「2025年に足踏み」
FRBのバー理事は2026年9月1日、ワシントンD.C.でのSecond-Chance Lending Forumで講演し、労働市場とインフレの現状について発言した。バー理事は「労働市場は安定しており、失業率は比較的低い」「しかしインフレは高すぎる水準にとどまっている。5年以上そうである」「2022年の7%超というインフレのピークから、2024年の2%を少し上回る水準まで、大きな前進があった。しかしその前進は2025年に足踏みした」と述べた。今後の政策運営については「インフレが2%へ向かう軌道で緩和しつつあるとデータの趨勢から確信が持てるのであれば、政策スタンスの評価にもう少し時間をかけられると考える。ただし、インフレが十分に緩和していないように見えるのであれば、断固として利上げに動くべきだと考える」と条件付きで述べている。講演内で足元のインフレ率の具体的な数値は示されていない。
地域別最低賃金、全国加重平均1,177円で答申(前年度比56円増)
厚生労働省は2026年9月3日、「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」を公表した。すべての都道府県労働局に設置された地方最低賃金審議会が、地域別最低賃金の改定額を答申した。全国加重平均額は1,177円(前年度1,121円)、前年度比56円増(約5.0%の引き上げ)。発効は令和8年10月1日から令和8年12月2日までの間に順次。厚生労働省は「改定額及び発効予定年月日は別紙のとおりです」「都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続を経た上で、都道府県労働局長の決定により……順次発効される予定です」と記している。
金融庁、保険業法改正パブコメに759件の意見(2028年3月適用)
金融庁は2026年8月28日、「令和7年保険業法改正に係る内閣府令及び『保険会社向けの総合的な監督指針』等の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等の公表について」を公表した。対象は保険業法施行規則及び金融サービス仲介業者等に関する内閣府令、「保険会社向けの総合的な監督指針」、「金融サービス仲介業者向けの総合的な監督指針」。意見の提出は133先の個人・団体から計759件。改正内容の適用日は令和10年3月1日(2028年3月1日)。金融庁は「乗合代理店における適切な比較推奨販売の確保に向け、比較説明・推奨販売に係る内閣府令及び監督指針等に関する所要の整備」と記している。
BIS金融安定研究所、フロンティアAIのサイバー脅威分析論文を公表
国際決済銀行(BIS)金融安定研究所(FSI)は2026年9月9日、フロンティアAIモデルによる金融部門へのサイバー脅威と政策対応を分析した論文「機械が攻撃するとき——金融部門におけるフロンティアAIのサイバー脅威と政策対応」("When machines attack: frontier AI cyber threats and policy responses in the financial sector"/FSI Occasional Papers No 28、著者=Juan Carlos Crisanto、Adrien Currat、Jeffery Yong)を公表した。論文は「以前の世代のAIモデルと違い、重大な脆弱性を自律的に特定し、有効な攻撃コードを開発し、多段階のサイバー作戦をますます複雑に遂行できる」と記述する。政策対応については「AIに特化した新しいサイバー規制を導入するのではなく、既存のサイバーリスク管理と業務継続力の枠組みを強化している」としている。
BIS、銀行の超過準備需要に関する実証研究を公表
BISは2026年9月7日、スウェーデンの中央銀行運営制度を用いて銀行の超過準備需要の決定要因を分析したワーキングペーパー「銀行の超過準備需要は何で決まるのか」("What determines banks' excess demand for reserves?"/BIS Working Papers No 1376、著者=Per Åsberg Sommar、Mathias Drehmann、Denise Hansson、Vatsala Shreeti)を公表した。要旨は銀行間市場に大きな分断があるとし、銀行間取引を行わない銀行と、行う銀行に分かれると報告している。取引を行う銀行については「超過準備は、支払フローの変動性と、銀行間市場での借入コストが高いほど増える」「銀行間取引の総量が多いときは、超過準備の保有は縮む」、取引を行わない銀行については「超過準備は支払フローの変動性とともに増えるが、時間を通じてより持続的である」と記す。件数や比率などの集計値は要旨中に記載がない。
② 読み取れること
<strong>見立て。</strong>FRBウォラー理事・バー理事の発言は、いずれも8月分の経済指標次第という条件文で語られている。9月15〜16日のFOMC会合が金利据え置きになるか利上げになるかは、この2本の講演からは分かりません。
<strong>見立て。</strong>地域別最低賃金の全国加重平均は前年度比約5.0%の引き上げとなったが、発効日は10月1日から12月2日までの間で地域ごとに異なり、異議申出の手続きを経てから都道府県労働局長が正式決定する。この公表物からは、業種別・地域別の内訳までは分かりません。