2026-09-15/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 公表されたもの
飲食料品の消費税率、来年4月から2年間1%に引き下げへ
内閣官房は令和8(2026)年9月8日、「給付付き税額控除」に関する国と地方の協議の場(第3回)に「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱(案)」(資料3)を示した。軽減税率の対象となっている飲食料品の消費税率を、令和9(2027)年4月1日から令和11(2029)年3月31日までの2年間、1%(国税0.78%・地方税0.22%相当分の合計)に引き下げる。就業者負担軽減支援金は令和9(2027)年4月から導入し、令和11(2029)年度に本格導入する。支援金の費用負担は、3分の2以上を国が負担し、残りを都道府県と市町村が2分の1ずつ負担する。大綱案は「軽減税率の対象となっている飲食料品」を対象とし、「週2回以上発行される新聞の定期購読分」は「今般の税率引下げの対象外」と明記する。費用負担や地方消費税の減収補填については「(地方と協議中)」と注記されており、この時点ではまだ「案」の段階にとどまる。
GX投資、20兆円の先行投資支援で150兆円超の官民投資目指す
内閣官房GX実行推進室は令和8(2026)年8月26日、GX実行会議(第17回)に「我が国のGX政策・GX投資の進捗」(資料2・参考資料)を提出した。資料は、GX経済移行債を活用した20兆円規模の先行投資支援により、150兆円超の官民GX投資の実現を目指すとする。令和8(2026)年8月26日時点の投資例として、高炉から革新電炉への転換(JFEスチール・日本製鉄)は総事業費約1兆2,000億円・補助額約3,500億円、光通信用半導体の量産体制構築は総事業費約6,000億円・補助額約1,600億円、データセンター(DC)向け定置用蓄電池は総事業費約833億円・最大補助額約283億円と記載されている。資料は「GX2040ビジョン(2025年2月閣議決定)」の進捗として、「2026年4月よりGX-ETS開始(割当て・取引は2027年度から)」「化石燃料賦課金は2028年度より導入予定」と記す。金額はいずれも「事業費総額ベース」であり、「予算事業のうち、一定額以上に公表決定額の交付が公表済みの案件を中心に掲載」との注記がある。
景気ウォッチャー調査、8月の現状判断DIは前月比0.7ポイント上昇の46.4
内閣府政策統括官(経済財政分析担当)は令和8(2026)年9月8日、「景気ウォッチャー調査(令和8年8月調査結果)」を公表した。8月の現状判断DI(季節調整値)は46.4で、前月差0.7ポイント上昇。先行き判断DI(季節調整値)は48.3で、前月差2.5ポイント上昇。原数値では現状判断DIが46.2(前月差0.4ポイント上昇)、先行き判断DIが47.4(前月差1.9ポイント上昇)。調査結果は「家計動向関連DIは、飲食関連等が低下したものの、住宅関連等が上昇したことから上昇した」とし、景気ウォッチャーの見方を「景気は、持ち直しの動きがみられる。先行きについては、中東情勢による不透明感が残ることに加え、自然災害の影響に対する懸念もみられるが、持ち直しの動きが続くとみられる。」とまとめている。
② 読み取れること
<strong>見立て。</strong>景気ウォッチャー調査のDIは現状・先行きとも上昇したが、季節調整値でみても、景況感の強弱の分かれ目とされる50を依然として下回っている。中東情勢や自然災害への懸念は、調査対象者(景気ウォッチャー)自身の見方として記載されたものであり、この公表物自体が先行きを断定しているわけではありません。
<strong>見立て。</strong>飲食料品の消費税率引下げは、現時点では「大綱(案)」の段階にとどまり、費用負担や地方消費税の減収補填は「(地方と協議中)」として未確定のまま示されている。GX投資の進捗も、掲載された投資額は交付決定済みの案件が中心で、150兆円という目標との対比での進捗率が示されているわけではない。いずれも、公表された時点ではまだ制度設計や実績の全体像が固まっていない段階にあります。