2026-09-22/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 公表されたもの
家計調査、7月の消費支出は実質3.6%減で8か月連続——実収入も8か月ぶりの実質減少
総務省統計局は2026年9月4日、「家計調査報告(二人以上の世帯)―2026年(令和8年)7月分―」を公表した。消費支出(二人以上の世帯)は1世帯当たり301,245円で、前年同月比は実質3.6%の減少、名目1.5%の減少。前月比(季節調整値)は実質0.5%の増加。内訳表には「消費支出 8か月連続の実質減少」との備考が付されている。あわせて公表された勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)は1世帯当たり689,476円で、前年同月比は名目1.7%の減少、実質(消費者物価指数〈持家の帰属家賃を除く総合〉による実質化)3.8%の減少、実質(消費者物価指数〈総合〉による実質化)3.5%の減少。内訳表には「実収入 8か月ぶりの実質減少」との備考が付されている。
出典:総務省統計局「家計調査報告(二人以上の世帯)―2026年(令和8年)7月分―」(2026年9月4日公表) (https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_mr.pdf)
BoE、政策金利を3.75%で据え置き——保有国債は2034年末までにゼロへ縮小
イングランド銀行(BoE)は2026年9月17日開催の金融政策委員会(MPC)の結果として、同日付で「Monetary Policy Summary and minutes of the Monetary Policy Committee meeting on 17 September 2026」を公表した。政策金利(Bank Rate)を3.75%で据え置くことを、6対3の多数決で決定した。反対した3名(Megan Greene、Catherine L Mann、Huw Pill)は0.25ポイント引き上げの4%を支持した。議事要旨は「MPCは6対3の多数決でBank Rateを3.75%に据え置くことを決定した」「3名の委員(Megan Greene、Catherine L Mann、Huw Pill)は0.25ポイントの利上げを望んだ」と記す。委員会は全会一致で、金融政策目的で保有する英国債の残高を、2034年末までの複数年計画でゼロまで縮小することも決定した。縮小ペースは年平均460億ポンド(うち年200億ポンドは売却、残りは満期償還)。議事要旨は「2034年末までに、年平均460億ポンドのペース(うち年200億ポンドの売却を通じて)で残高をゼロまで縮小する複数年計画により、金融政策目的で保有する英国債の残高を縮小する」と記す。英国の消費者物価指数(CPI)上昇率は8月に3.1%まで上昇した。議事要旨は「中東における紛争の長期化が、原油・精製エネルギー価格のさらなる上昇に寄与している」「英国のCPI上昇率は8月に3.1%まで上昇し、今後数四半期にわたりさらに上昇する可能性が高い」と記す。
出典:Bank of England, Monetary Policy Summary and minutes of the Monetary Policy Committee meeting on 17 September 2026 (https://www.bankofengland.co.uk/monetary-policy-summary-and-minutes/2026/september-2026)
WTO報告書、貿易分断シナリオで世界GDPが5.1%押し下げの試算
世界貿易機関(WTO)は「World Trade Report 2026」(Executive summary)を公表した。多角的貿易体制がこれまで世界経済・貿易に与えた影響と、今後想定される複数シナリオを試算した年次報告書で、要旨ページに公表日の記載はない。シミュレーションによる世界の国内総生産(GDP)への影響(現状比)は、地政学的分断シナリオで「世界のGDPは5.1%、世界の輸出は18.6%押し下げられる」、自由貿易協定の乱立シナリオで「世界のGDPは6.9%、世界の輸出は26.9%押し下げられる」、協調強化シナリオで「世界のGDPは2.9%、世界の輸出は17.9%押し上げられる」との試算を示す。関税水準については、WTO加盟国の平均関税が「2000年以降、ほぼ35%低下した」とし、1947年時点の主要4経済の平均関税(約22%)からは「多くの経済で1桁台前半まで低下した」と記す。WTO加盟による貿易拡大効果については「加盟国間の貿易をおよそ140%押し上げた」としている。
出典:WTO, World Trade Report 2026 - Executive summary (https://www.wto.org/english/res_e/publications_e/world-trade-report-2026_execsum_e.htm)
IEA、重要鉱物への投資が2025年に前年比9%減少と報告
国際エネルギー機関(IEA)は2026年7月16日、報告書「Global Critical Minerals Outlook 2026」を公表した。同報告書は、重要鉱物への投資が2025年に前年比「9%減少した」とする。内訳として、電池向け金属(リチウム・ニッケル・コバルトなど)は「20%超の減少」、リチウム企業は「およそ40%の投資削減」だった一方、銅企業の支出は「8%増加した」。探鉱支出も前年比「10%超減少した」としている。
出典:IEA, Global Critical Minerals Outlook 2026 - Executive summary (https://www.iea.org/reports/global-critical-minerals-outlook-2026/executive-summary)(2026年7月16日公表)
② 読み取れること
<strong>見立て。</strong>消費支出は8か月連続、実収入も8か月ぶりに、いずれも実質ベースでマイナスとなった。消費者物価の上昇が続く中で、家計の実質的な購買力が弱含んでいる局面とも読めるが、単月の内訳から今後の動向を断定することはできません。
<strong>見立て。</strong>BoEは政策金利を据え置く一方、中東情勢によるエネルギー価格上昇を理由の一つに挙げ、英国のCPI上昇率が今後さらに高まる可能性を示した。この物価上昇圧力が次回以降の据え置き判断にどう影響するかは、この公表物からは分かりません。