2026-10-04/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 公表されたもの
東京都区部CPI、9月は前年比2.7%に加速——8月の1.9%から0.8ポイント上昇
総務省統計局は2026年10月2日、「2025年基準 消費者物価指数 東京都区部 2026年(令和8年)9月分(中旬速報値)」を公表した。全国結果に先立つ先行指標として、東京都区部(中旬時点)のみの結果を速報するもの。総合指数は2025年を100として102.5、前年同月比2.7%の上昇(8月は1.9%)。生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)は102.6で前年同月比2.7%の上昇、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は103.0で前年同月比3.0%の上昇。前月比(季節調整値)は総合0.6%・コアCPI0.9%・コアコアCPI0.7%で、いずれも上昇。前年同月比の変動要因として、保育所保育料により総合の上昇幅が0.29ポイント拡大、水道料により0.24ポイント拡大したとしている。
原典の言い方:「総合指数は2025年を100として102.5 前年同月比は2.7%の上昇 前月比(季節調整値)は0.6%の上昇」。
出典:総務省統計局「2025年基準 消費者物価指数 東京都区部 2026年(令和8年)9月分(中旬速報値)」(2026年10月2日公表) https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf
2025年の合計特殊出生率は1.14、出生数は67万1270人で過去最低を更新
厚生労働省は2026年9月30日、「令和7(2025)年人口動態統計(確定数)の概況」を公表した。確定数は日本における日本人の事象を対象とする年次統計で、速報・月報に続く確定値。出生数は67万1270人で、前年の68万6173人より1万4903人減少(2.2%減)、1899年の人口動態調査開始以来最少。合計特殊出生率は1.14で前年の1.15より低下し、過去最低。出生率(人口千対)は5.6で前年の5.7より低下。死亡数は158万9533人で前年より1万5845人減少、5年ぶりの減少。自然増減数はマイナス91万8263人で、19年連続のマイナス。
原典の言い方:「出生数は67万1270人で、前年の68万6173人より1万4903人減少し、明治32(1899)年の人口動態調査開始以来最少となった」「合計特殊出生率は1.14で前年の1.15より低下し、過去最低となった」。
出典:厚生労働省「令和7(2025)年人口動態統計(確定数)の概況」(2026年9月30日公表) https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei25/dl/05_gaikyouR07.pdf
WTO、ロシアの申立てでEUのCBAM・排出枠取扱いを審査するパネル設置を決定
世界貿易機関(WTO)の紛争解決機関(DSB)は2026年9月25日の会合で、ロシア連邦の申立てを受け、EUおよび加盟国の炭素国境調整メカニズム(CBAM)とEU排出権取引制度(ETS)の下での排出枠の取り扱いを審査するパネルの設置に合意した(案件番号DS639)。ロシアによる最初のパネル設置申立は2026年7月24日で、この時点ではEU側の異議により設置が成立せず、9月25日の第2回申立で設置が決定した。パネル審理に第三者として参加する意思を留保した国・地域は18で、日本を含むアルゼンチン、ブラジル、カナダ、中国、インド、インドネシア、サウジアラビア、韓国、マレーシア、ノルウェー、パラグアイ、シンガポール、スイス、台湾、タイ、英国、米国が名を連ねている。
原典の言い方:WTOの発表によれば、ロシアはCBAM対象品目の輸入について「重大な貿易障壁」を生じさせていると主張し、ETSの下での企業への排出枠の無償配分は「輸出補助金」に当たり、「特定の国内産業の競争力強化」を意図したものだと主張している(WTO発表による要約表現)。
出典:WTO「Panel to review EU carbon border adjustment mechanism and emissions trading scheme」(2026年9月25日) https://www.wto.org/english/news_e/news26_e/dsb_25sep26_496_e.htm
WTO貿易交渉委員会、事務局長が交渉ペースの鈍化に懸念を表明
世界貿易機関(WTO)の貿易交渉委員会(TNC)は2026年10月1日に会合を開き、各交渉グループの議長から第14回WTO閣僚会議(MC14)以降の進捗報告を受けた。会合では40のWTO加盟国が発言した。
原典の言い方:オコンジョ・イウェアラ事務局長は「MC14以降、交渉活動全体のペースは比較的穏やかだった」と述べ、交渉加速の必要性を強調した(WTO発表による要約表現)。
出典:WTO「Director-General cites concerns with pace of negotiations as chairs report on state of play」(2026年10月1日) https://www.wto.org/english/news_e/news26_e/tnc_01oct26_502_e.htm
② 読み取れること
以下は見立てです。公表物に書かれていない評価を含みます。
東京都区部CPIの前年同月比上昇率は、8月の1.9%から9月は2.7%へ0.8ポイント拡大しました。公表文は変動要因として保育所保育料・水道料という非エネルギー項目を挙げています。全国分のCPI(例年、翌月上旬に公表)で同様の上昇が確認できるかどうかは、この公表物からは分かりません。
WTOのパネル設置(DS639)は審理入りの決定であり、EUのCBAM・ETSの適法性についての結論ではありません。日本を含む18の国・地域が第三者参加を留保していますが、結論が出るまでの期間や各国への影響は、この公表物からは分かりません。