2026-09-20/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 何が終わったか
ニチレイ、7月のサイバー攻撃で個人情報53,866件の漏えいを確認
ニチレイは2026年9月18日、2026年7月13日に発生したサイバー攻撃に関する第7報として、個人情報漏えいの確認件数を公表した。配送先顧客3,308件、取引先役職員6,849件、従業員等43,709件、合計53,866件。9月11日には個人情報保護委員会へ報告している。原因は「調査を進める」として公表していない。
ちばぎん商店、コーポレートサイトへの不正アクセスで最大2,338先の情報漏えいのおそれ
千葉銀行は2026年9月17日、子会社ちばぎん商店のコーポレートサイトのサーバーに第三者による不正アクセスがあり、個人約722先・法人約1,616先、合計約2,338先の個人情報に漏えいのおそれがあると公表した。対象は「TSUBASAちばぎんVisaデビットカード」等のプラチナカード保有者向けギフト送付業務に関する情報で、対象期間は2022〜2024年度分と2025年度4〜10月分。クレジットカード情報・パスワードは当該サーバーに保管されていなかった。
LINEヤフー、SNS機能「LINE VOOM」を9月30日で終了
LINEヤフーは2026年9月16日、SNS機能「LINE VOOM」を2026年9月30日午前11時ごろに終了すると告知した。告知文には「サービス提供体制の見直しおよび体験価値の再編に伴い」と記載されている。告知から終了まで約2週間。
米ボート販売Nadeau's Marine、Chapter 11のSubchapter Vを申請
米メーン州リッチフィールドでボート販売を25年以上手がけてきたNadeau's Marine, Inc.は2026年9月11日、米連邦メーン州地区破産裁判所にChapter 11(米連邦倒産法に基づく再建型の法的整理手続き)のうちSubchapter V(負債規模の小さい中小事業者向けの簡易再建条項)を申請した。関連2法人も同日別途申請した。ケース番号26-10191。米国の連邦裁判所電子記録システム(PACER)による推定資産は10万1ドル〜50万ドル、推定負債は100万1ドル〜1,000万ドル。
② 当時、それはどう見えていたか
ニチレイについて、7月13日にシステム障害を検知し、7月15日の第2報でサイバー攻撃を確認していた。8月14日の第6報時点では、従業員情報の漏えいは「おそれ」の段階にとどまっていた。9月11日に個人情報保護委員会へ報告し、9月18日の第7報で件数を確定した。原因(侵入経路・攻撃主体)は9月18日時点でも公表されていない。
ちばぎん商店について、2026年9月3日13時頃、担当者がサイト上にオンラインカジノ関連のコンテンツが表示されているのを確認したことが発覚のきっかけだった。原因は9月17日時点で「調査を進めている」として公表されていない。
LINE VOOMについて、告知文が挙げる理由は「サービス提供体制の見直しおよび体験価値の再編に伴い」という一文のみで、それ以外の事前の公表材料は確認できませんでした。
Nadeau's Marineについて、当時の材料は確認できませんでした。申請前の財務悪化を示す公表資料は確認できていません。
③ 構造として残るもの
ニチレイとちばぎん商店に共通するのは、発覚、被害範囲の確定、原因の公表が別々の時点で来るという構図。ニチレイは7月13日の検知から9月18日の件数確定まで2か月以上かかり、原因は9月18日時点でも「調査を進める」としている。ちばぎん商店は9月3日の発覚から9月17日の公表まで2週間で、原因は公表時点で分かっていない。
自社で不審な動きに気づいた時点では、被害範囲も原因もまだ分からない。その状態で何を止め、誰に何を伝えるかを、平時に決めておけるかどうかが問われる形。