三位一体(環境・能力・情熱)
私たちの世界観の第一の柱は、「三位一体」である。環境・能力・情熱—この三つは、どれが欠けても成立しない。個人の成功も、組織の成功も、この三つの調和から生まれる。
この概念は、クラウゼヴィッツの『戦争論』に由来する。クラウゼヴィッツは、戦争を「理性(政府)・偶然(軍隊)・情熱(国民)」の三位一体として捉えた。理性だけでも、偶然だけでも、情熱だけでも戦争は成立しない。三つが揃って初めて、戦争という複雑な現象が成立する。
これを現代の仕事に翻訳すると、「環境・能力・情熱」になる。
環境とは、働く場所、使える道具、周囲の人間関係、顧客の状況、市場の動向など、外的条件のすべてである。どれだけ能力があっても、情熱があっても、環境が整っていなければ成果は出ない。逆に、環境さえ整えば、能力や情熱は自然と発揮される。
能力とは、技術力、コミュニケーション能力、問題解決能力など、個人が持つスキルとナレッジの総体である。環境があっても、情熱があっても、能力がなければ価値を生み出せない。能力を磨くことは、より自由になることである。優れた能力を身につけることで、より多くの選択肢が開かれる。
情熱とは、その仕事に対する熱意、やりがい、意味の感覚である。環境があっても、能力があっても、情熱がなければ持続しない。人間は感情の生き物である。情熱なき仕事は、単なる苦役に過ぎない。
重要なのは、この三つのバランスである。一つだけが突出していても意味がない。三つが調和して初めて、持続可能な価値創造が可能になる。
例えば、最新の開発環境(環境)と高い技術力(能力)があっても、その仕事に情熱を持てなければ、やがて燃え尽きる。あるいは、やりたいこと(情熱)と技術力(能力)があっても、劣悪な労働環境では成果を出せない。