2026-09-18/株式会社東京ネット工務店 海老沢敦
① 発表されたもの
TISI、4自治体(1県3市・自治体名非公表)が参加した生成AIデータ連携実証を実施
TISインテックグループのTISI株式会社が、公益財団法人九州先端科学技術研究所(ISIT)と共同で、複数自治体のデータ連携基盤を共同利用する実証実験を2025年10月から2026年3月まで実施したと発表した。TISI株式会社のプレスリリース(2026年9月17日付)による。参加自治体の名称・人口・職員数は発表文に記載がない。
施設予約システムの連携実証では213施設・45万件以上の予約データを一元管理し、約24分で自動処理を終えるサイクルを確立したという。図書館の混雑可視化の実証では、機材の月額電気代を約100〜260円に抑えたとしている。TISIが自治体67件に行った調査では、費用面を課題に挙げた自治体が77.6%だったという。数字はいずれもTISI側の発表による。
アグリメディア、伊達市・穴水町・壱岐市を農業法人誘致の支援対象地区に追加
アグリメディア(サグリ株式会社との共同事業体)が2026年9月17日、地域外からの農業法人誘致の支援対象地区として、北海道伊達市・石川県穴水町・長崎県壱岐市を追加選定したと発表した。自治体自身の発表ではなく、事業者(アグリメディア)の発表である。3市町の人口・職員数は発表に記載がない。
農地の集約から参入計画策定までをワンストップで支援し、自治体との調整や生産技術の習得までを一貫してサポートするとしている。参入希望法人向けのマッチングデータベースは2026年11月公開予定、「農業参入ポータルサイト」は2026年7月に公開済み。支援件数・金額の記載はない。
北海道、データセンター事業者に地域共生を要請・石狩市と苫小牧市を認定
北海道が2026年9月15日、データセンター事業者に対し、道内資源を活用した脱炭素・省エネ技術の採用と、日本データセンター協会の「データセンター地域共生ガイドライン」に基づく地域との共生を求める声明を発表した。北海道庁自身の発表である。背景として、9月11日に石狩市と苫小牧市がGX戦略地域制度(経済産業省が指定する脱炭素関連の産業促進地域制度)でデータセンター拠点として認定されたことがある。石狩市・苫小牧市の人口・職員数は記事に記載がない。
要請内容は3点(脱炭素・省エネ関連技術の採用、地域との共生の推進、地域共生ガイドラインに基づく対応)で、金額の記載はない。
美深町(北海道)、移住支援金に「関係人口要件」を追加
北海道美深町(企画商工観光課)が、移住支援金制度の要件を改定し、令和7年度から新たに「関係人口要件」を追加したと町公式サイトに掲載した(ページ最終更新日2026年9月16日)。町自身の発表である。人口・職員数の記載はない。
支援金は世帯移住で100万円(18歳未満の帯同者1人につき100万円加算)、単身移住で60万円。対象は「移住前10年間で通算5年以上・直近1年間、東京23区在住または東京圏から23区へ通勤」していた人。転入後1年以内の申請、5年以上の居住意思が条件。新設の関係人口要件は、地域づくり活動への継続参加・居住経験・移住体験住宅利用のいずれかに該当し、かつ農林水産業従事・家業就業・起業・正規職員採用のいずれかに該当する必要がある。3年未満での転出は全額返還、3〜5年での転出は半額返還。
静岡県、東京圏在住者向けに二地域居住体験ツアーを募集・10月31日開催
静岡県が、東急不動産(MABLs)・JR東海と連携し、東京圏在住者を対象に静岡県東部(三島市・富士市)での二地域居住(生活拠点を2か所以上持ちながら暮らす形)体験ツアーを募集すると県公式サイトに掲載した(ページ更新日2026年9月1日)。県自身の発表である。
募集人数は20名程度、申込締切は2026年10月9日(金)、実施日は2026年10月31日(土)10時〜18時。参加費は無料だが、自宅最寄駅〜三島駅の往復交通費は自己負担(JR東海連携で新幹線利用実績の一部をEXポイントとして還元する軽減制度あり)。申込には東急不動産運営アプリ「SHIBUYA MABLs」のダウンロードが必要。
② 会社にどう当たるか
以下は見立てであり、断定ではない。
- 拠点を置く場所の条件:北海道がデータセンター事業者に「地域との共生」を要請し、石狩市・苫小牧市をGX戦略地域として認定した。データセンターに限らず、拠点を地方に置く際の条件として「地域との共生」が要請事項に含まれ始めているのかもしれない。他の自治体にも同様の要請が広がるかは、この発表からは分からない。
- 拠点を置く場所の条件:アグリメディアが伊達市・穴水町・壱岐市を農業法人誘致の対象地区に追加した。自治体自身の補助金や立地協定ではなく、民間事業者が地域外からの参入調整を代行する形の誘致であり、農業分野への新規参入を考える会社にとっては、自治体との調整窓口が一本化される可能性がある。支援件数・金額が非公表のため、実際にどれだけ使われているかはこの発表からは分かりません。
- 人を採る場所の条件:美深町が移住支援金に「関係人口要件」を新設した。地域づくり活動や移住体験住宅の利用経験などが条件に加わったことで、採用候補が「その土地に一度も関わったことがない人」より「すでに縁がある人」に絞られていく可能性がある。他の自治体が同様の要件を追加しているかは、この発表からは分かりません。
- 取引の相手と手続き:TISIのデータ連携実証は、自治体側の業務システムの標準が変わりうる動きである。データ連携の技術要件が実証で確認されると、地域のITベンダーにとって提案の前提や対応すべき技術要件が変わる場面が出てくるかもしれない。ただし対象自治体名が非公表のため、どの地域で先に起きるかはこの発表からは分かりません。